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深海魚の不思議!未知の生態と見た目が気持ち悪い理由とは?

突然ですが、皆さん、「深海魚」と言われてどんなものが浮かびますか?

「深海魚」や深海生物って、普段目にする海の生き物や魚と比べてちょっと個性的な見た目のものが多いですよね。

見た目もそうですが、やっぱり生態もちょっと変わっています。
例えば目が無かったり、逆に大きかったり。妙に長い尾が付いていたり…

一般的には、気持ち悪いと言われるものが多いのですが、最近はグッズ等でも「キモ可愛い」ものが人気だったりするので、深海魚も人気が出てきています。水族館ではリュウグウノツカイなどの深海魚がモデルのぬいぐるみなども販売するようになってきています。

そうは言っても深海魚はあまり見慣れないので、パッと見た時に気持ち悪いと思っても、ずっと見ていると可愛い目をしているな、とか「いやいやその口!」とちょっと突っ込みたくなってきます。

今回は、深海魚や深海生物について、定義やどんなものがいるのか、そして見た目が気持ち悪いのはなぜなのか?等、掘り下げていきたいと思います。

深海魚の定義は?

深海魚というのは一般的に水深200mよりも深い海に住んでいる魚類の事です。

しかし、例えば成長の過程や餌を取る為に浅いところまで上がってきて、深海と浅い海を行ったり来たりする種類もいるので、明確にこれが深海魚の定義だ!というものはあるようでないのが実情です。

海を縦方向に分けると、表層・中深層・漸深層・深海層・超深海層に区分されます。
この中深層が200m~1000mの深さなので、この中深層より深い所で生息している魚類が深海魚ですね。

水深200mってどんな世界なのでしょうか?

実は水深200mまではほんの少しだけ日光が届きます。
中深層の深海魚は約750種類が確認されていて、深海の中でも最も多くの深海魚が生息しています。

中深層以下は暗黒の世界で水温もより低くなります。
深さが深くなるにつれてプランクトンを含めた生物は減っていくので、それに伴って生息している生物も減っていきます。

深海魚はなんであんな気持ち悪い見た目なの?

深海魚って、けっこう気持ち悪い独特の見た目をしていますよね。
独特の見た目でも特に印象的なのが目だと思います。

人間もそうですが、目が第一印象を左右するといっても過言ではないくらい、見た目では重要な役割を果たします。

その深海魚の目ですが、常識で考えられない所や位置関係でついていたり、身体に対して驚くほど大きな目がついていたりします。
なぜ、そんなに目になってしまったのでしょうか?

透明度にもよりますが、深海1000m程まではかろうじて光が届きますので、魚もその光を検知しようと目が大きくなったり、水面の方を向いてついているものがあります。

ただ、1000mよりも深い暗黒の世界に生きている深海魚たちは、そもそも目が退化して体の中に吸収されていたりするので、パッと見は目がないように見えるものもいます。

そして深海は深くなれば深くなるほど生物は減っていきますから、そこに住む深海魚にとって餌を確保するのは困難です。

体に対して極端に大きな口やあごを持っている魚や、効率よく栄養を体に蓄えることができるように臓器が異常に発達しているものもいます。

中には、自分よりも大きな獲物を飲み込むことのできる深海魚もいるんですよ。

そういった深海ならではの環境に1つ1つ対応して進化した結果、すべてを組み合わせると気持ち悪かったり、見慣れない姿になってしまったのです。

深海魚にとっては生きるために効率的な機能や姿になった結果だったんですね。

それを、気持ち悪い、と言ってしまうのもちょっとかわいそうな気がしますね。

気持ち悪いけど可愛い深海魚一覧!

では、ここからは具体的に深海魚について紹介していきましょう。

人気のものや、見た目が特に変わったものをご紹介していきますよ!

1.まず1つめはシーラカンスです。

ある調査では、男性が好きな深海魚の1位に選ばれたこともある魚です。
生きる化石とも呼ばれていて、深海魚に詳しくない人でもなんとなく聞いたことがある魚かと思います。
肺魚と共に3億5千万年からほとんど姿を変えていない事や、個性的な見た目が何となくかっこいい、恐竜っぽいというような、なんとなくロマンを感じる人も多いようです。

2.デメニギス

水深400~800m程の所で確認することのできる、とても神秘的で不思議な深海魚です。
生息地域は太平洋北部で、日本では岩手県の深海地帯で確認されています。
見た目が非常に特徴的で、実はデメニギスの目は頭の中に入ってしまっていて、一般的な魚の様に、目がついているわけではありません。
そして、頭の一部が透明になっているというのも非常に珍しい特徴と言えるでしょう。

3.チョウチンアンコウ

名前の通り、頭部に提灯のように見える突起物が特徴的な深海魚です。
その突起物は発光液を出すことが確認できていて、一時的に餌の目を眩ます等、餌の捕獲の際に効果があるのではないかと推定されています。

生息水深はまだはっきり断定はされていませんが、200~800mあたりだと言われています。

4.マンボウ

マンボウも深海魚としては有名ですよね。
子供向けの図鑑には必ずと言っていいほど載っていて、そのかわいらしい見た目が人気です。

かなり大きな魚ですが、動きはゆっくり緩慢としています。

マンボウは一定の水深に生息しているわけではなく、表層から深海800m程まで行ったり来たりしながら生息していると言われています。

5.ブロブフィッシュ

ブロブフィッシュってちょっと聞いたことがある人もいるかもしれません。
別名ニュウドウカジカとも言われ、「世界で最も醜い動物No,1」に選ばれて話題になりました。

インド洋や大西洋、太平洋を中心とした広い深海地域に生息していて、だいたい水深3000mくらいの所で確認されているようですので、かなり深海にいる生物ですね。
最も醜い動物に選ばれるくらいなので、どんな恐ろしい姿をしているかと思うでしょうが、実はよく見ると、ちょっと困った顔のテカテカしたおじさんの様にも見えたりして、可愛くも感じてしまう、キモ可愛い感じもたまりません。
地上で見ると、深海との圧力差で潰れてしまってNo,1に選ばれるほどの醜さですが、深海ではまた違って見えるそうです。

6.ホウライエソ

ホウライエソも深海魚としてはわりと有名です。
水深500~2500mあたりの深海に生息していると言われており、体長は10~15cm程度の割と小さめの魚です。
深海魚らしく、うろこのない黒い体を持ち、鋭い歯で悪魔が笑っているように見える顔が特徴的です。

7.ラブカ


ラブカは生きた化石とも言われている、サメの一種です。
水深500~1000mあたりの大西洋や太平洋の大陸斜面に生息していて、日本近郊では、相模湾や駿河湾等の深海地域で確認されています。
体長はメスの方が大きく、約200cm、オスが約160cmで灰色をしています。

見た目はこれぞ深海魚!という感じのグロテスクな感じですが、見方によってはかっこいいのかもしれません。
個人的にはエイリアンぽくて好きです。

8.ミツクリザメ

日本では駿河湾や相模湾等の深海地域の水深1300mあたりの深海地帯に生息しています。

頭が尖って前に突き出していたり、口が裂けて歯茎が飛び出しているように見えたりと、かなりグロテスクで気持ち悪い要素をたくさん持っています。
しかも、甲殻類や魚等をバリバリとかみ砕くほどの強い歯を持っていますので、余計に怖さ倍増の深海魚です。

9.リュウグウノツカイ

深海魚と言えば、リュウグウノツカイもメジャーですね。
太平洋、大西洋、インド洋の深海地帯に生息していて、甲殻類を食べて生きています。
リュウグウノツカイは10mを超える大きな体と神秘的な銀色のような体の色が大きな特徴です。

顔は深海魚らしいと言えばらしいのですが、目が大きくちょっと気持ち悪い感じで、歯もないしうろこもありません。

10.サキャスティック・フリンジヘッド

見た目がエリマキトカゲやプレデターにそっくりな獰猛な深海魚です。
海底に生息していて体長は30cm程度です。
体に対して口が大きく、大きな獲物も丸のみすることができます。
口を開けた時の姿がなんともグロテスクで恐ろしく、夢に出てきそうです。

深海生物も少しだけご紹介!

1.ダイオウグソクムシ
深海の生物、と言えばダイオウグソクムシは外せません。
メキシコ湾や、西大西洋周辺の水深200~1000mあたりに生息しています。
体長は20~50cm前後とかなり大きな生物です。
もちろん他にも大きな生物はたくさんいますが、ダイオウグソクムシは、グソクムシという名前の通りダンゴムシのような、虫!という感じの見た目ですので、そう考えるとかなり巨大だと言えるでしょう。

2.クマムシ

クマムシはゲームやアニメに出てきそうなキモ可愛いというかコワ可愛い見た目も衝撃的ですが、その生態はさらに衝撃を受ける不思議な生物です。

クマムシは今のところ、世界で唯一宇宙でも生存できる生物であると考えられているのです。

体長はたった1mm程度しかないのですが、絶対零度から180℃近くになっても、放射線を1000回以上照射しても耐えることができるのです。
また水がなくても10年程度は死ぬことがなく、一旦乾燥して死んでしまったと思われるものに水をかけたら生き返ったと言われているほどです。

さらに真空中でも死なないので、宇宙も行ける!と言われているのです。
いったいどんな体の構造になっているんでしょうね。
個人的には深海生物の中では、見た目と生態からクマムシが一番好きです。

まとめ

気持ち悪いと言われがちな深海魚や深海生物についてお話してきましたが、簡単にまとめると、

1.深海魚というのは水深200mよりも深い所に生息しているものを指すが、成長の過程や餌を取る為に深海と浅い所を行き来するものもあるので、これが深海魚の定義だ!と明確に言い切れる定義はあるようでない

2.深海魚の見た目が気持ち悪いと感じてしまうのは、我々がいつも目にしている魚や生物とはかなり異なった様相をしているため。
でもそれは生息域の特徴に合わせて効率的に進化した結果、我々の想像を超えた見た目になってしまっただけである。

3.深海魚はメジャーなものはシーラカンスからサキャスティック・フリンジヘッドのような聞いたことのないものまで多種多様。
想像ができない見た目や生態を持っている。

4.深海には深海魚以外にも興味深い生物がたくさん生息している。

見た目も生態も我々の想像を超えている深海魚や深海生物、知れば知るほど興味が深まって、もうちょっと知りたいな、と思いました。
お子さん等も喜んでくれると思いますよ!

今年のゴールデンウィークは是非水族館に行ってみてはいかがでしょうか?

個人的には静岡県にある沼津港深海水族館がおススメです。

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