ヒラメはお子さんたちにも知名度が高い魚のひとつですね。またとっても美味しいお魚です。
何といっても、その独特な見た目はインパクトが大きく、図鑑や絵本でも見る機会が多いと思います。
そんなヒラメは普段どのようなところに生息していて、何を食べて大きくなっているのでしょうか?今回はヒラメの生態や豆知識をお伝えしたいと思います。
そっくりなヒラメとカレイ、どう違うの?
見た目がそっくりなヒラメとカレイはどちらもカレイ目の仲間です。詳しくいうとカレイ亜目のヒラメ科とカレイ科として分類されています。
ヒラメは左に目があって、カレイは右に目があるということで「左ヒラメ右カレイ」と見分けている人も多いと思いますが、実は目の位置で見分けているのは日本だけって知っていましたか?日本で見られるカレイのほとんどは右側に目があるのですがアメリカやアラスカではどうも違うようなのです。
そしてもっとびっくりするのは、生まれたてのヒラメとカレイはどちらも他の魚のように細長くて目もからだの両側についているということ。成長に連れて目の位置が移動していくとても不思議な魚なのです。
話は戻って、目の位置で分類できないのであれば、ヒラメとカレイはどうやって見分ければいいのでしょうか。簡単に言うとヒラメは口が大きく鋭いキバがあります。これはカレイにはない特徴です。
カレイは砂の中に潜って飛び出たその大きな目でエサとなるエビやカニなどを見つけます。
それにくらべて、ヒラメの目は小さくあまりよく見えてはいないようなのですが、砂などの周りの色に合わせて体を同化させてカモフラージュするという特技をもっています。
海底で身を潜めて待ち伏せし、知らずに近づいてきたイワシやアジ、イカなどをガブッと食べてしまうんですよ。
ヒラメの豆知識。さかなへんに「平」と書いてヒラメ
漢字はさかなへんに「平」と書いて「鮃(ひらめ)」と表します。
では海外ではなんと呼ばれているのでしょうか?和英辞書によると、こちらも平らな魚という意味で「flat fish」と表すようです。どちらも見た目どおりにつけられているんですね。
でも少しちがうのは、この「flat fish」はヒラメだけではなくカレイとのこともさすと書かれています。主にアメリカやイギリスではヒラメとカレイの区別をしないのだとか。
そしてもうひとつ、みなさんは「ヒラメ社員」という言葉をしっていますか?海の底にいて上しか見ていない、周りに合わせて体の色を変えてしまうヒラメ。会社の中のヒラメは「上司の顔色ばかり見て仕事をする人」の例えです。
最近ではなかなか聞かない言葉のようにも思いますが、地味な見た目もそうですし見た目が可愛いわけでもないヒラメ……しかもそんな例えがあるなんて、あまりイメージの良くない魚なのでしょうか。
実はヒラメって白身魚の王様なのです
あんな見た目ですがヒラメは白身魚の王様なんてよばれています。天然もののヒラメはタイと並ぶほどの高級魚です。
高級魚といわれるとなかなか手が出せないですが、ヒラメは成長が早いので養殖しやすい魚といわれて最近では養殖のヒラメがたくさん流通しています。天然ものは裏側が白いのに対して養殖ものにはまだらな模様があるのでお店に行ったときは裏側を見てみてくださいね。
養殖は日本でも大分県や愛媛県、三重県で行われています。その中でも大分県は生産量日本一。かぼすの果汁が入ったエサを食べて育った「かぼすヒラメ」は魚独特の臭みがなく旨味が濃厚だとか。
お刺身やカルパッチョ、から揚げやムニエルにしてもおいしくて、料理が好きな人、食べることが好きな人にはたまらない食材なのではないでしょうか。
とくに美味しいのはえんがわ。お寿司屋さんでは必ず注文します。コラーゲンたっぷりで美容効果も期待できますよ。美味しくてきれいになれるなんて一石二鳥です。(後から知ったのですが回転寿司で食べることのできるえんがわは、カラスカレイのえんがわだそうです。そりゃそうですよね、高級魚の希少部位ですからそんなに簡単には食べられないですよね。ヒラメのえんがわ、食べてみたいです……。)
以上、ヒラメのお話でした。
まとめてみると…
2. ヒラメは日本語でも英語でも「平たい魚」で表される
3. おいしいヒラメは老若男女問わず使えて、料理方法もたくさんなありがたい食材!
冬が旬のヒラメです。ぜひおいしいヒラメを堪能してくださいね!
ちなみに高級料理として出てくる舌平目、実はヒラメとは違う魚なんですよ。そのお話はまた別の機会に。