魚介類で満点生活

同じじゃないの?鮭とサーモン、トラウトと鱒…その違いとは

スーパーの鮮魚コーナーに行くと、「鮭」「サーモン」「トラウト」「鱒」…と色々な表記がされているのに、見た目はほとんど同じオレンジ色の魚で、わけがわからない!なんてこと、ありませんか?

鮭は焼き鮭もあるし…サーモンはお寿司屋さんでよく食べるけど…と、何となく知っているつもりで意外にわかっていなかった!?

今回はそれぞれの違いを、雑学とともにご紹介します!

これでもう迷いません!

マルチに活躍!「鮭」

鮭(サケ)といえば、塩焼きやホイル焼き、フレークでも美味しい人気の魚です。鮮やかなオレンジ色の身も、綺麗ですしおいしそうですよね。実はサケは、元は白身魚なのです。エサとなる甲殻類の殻に含まれるアスタキサンチンによって、身がオレンジ色になると言われます。ちなみに、フラミンゴがピンク色なのもこのアスタキサンチンによるもの!

そんなサケは、北太平洋などの寒い海に住んでいて、シロサケ(アキサケ)やベニザケ、ギンザケなど色々な種類がいます。地方ごとの呼び名も多く、アキアジ、イヌマス、トキシラズなどと呼ばれることも。

サケで有名なのは「遡上」で、川で生まれたサケの稚魚が5ヶ月前後で海に降り、成熟すると子孫を残すため、また自分が生まれた川を上っていく、というもの。10~12月ころに見られ、サケが遡上する川は観光名所となることもあります。

人気の寿司ネタ「サーモン」

「サーモン」は、「鮭」を英語にしたもの!…とよく言われます。全くの間違いではないのですが、実はほんの少しだけ違うのです。

英語で言うサーモンは、「海に降るサケの仲間」のこと。ですから、サクラマスやヒメマス、カラフトマスなどの、日本ではマスと呼ばれる魚にも、「サーモン」の名がついています。サクラマスはマスサーモン、ヒメマスはコカニーサーモン、カラフトマスはピンクサーモンと呼ばれています。ちょっと不思議な感じがしますよね。

また、お寿司屋さんのものやスーパーで生食用とされている「サーモン」は、養殖されているものなので生食できますが、鮭と書かれているものは天然物である場合が多いため、寄生虫の危険があります。食べるときはしっかり加熱してくださいね。

川釣り好きにははおなじみ?「トラウト」

さて、海に降るサケ科の仲間である「サーモン」に対して、「トラウト」は河川(淡水)で生活するサケ科の魚のことです。英語(欧米)での分類は、日本のものに比べると海水か淡水かの線引きがしっかりとなされており、それが名前でもわかりますね!

ですが、こちらも「サーモン」と同じく、マスを英語にしたものがトラウト、と言われることが多いです。

また、お店に出回っている「トラウト」は、「トラウトサーモン」「サーモントラウト」などと呼ばれる、養殖されたニジマスのこと。こちらの名前は分類というよりも商品名のようなものですね。

上でご説明した生食用の「サーモン」もほとんどがこれで、元は淡水魚であるニジマスを海水で養殖したものです。程よい弾力と脂がたまらない!
ちなみに分類上では、海水で生活するようになったニジマスのことを「スチールヘッド」と呼びます。スチールヘッド=トラウトサーモンですね。

種類が多い!「鱒」

サケ科の仲間の中で海に降らないものを「マス」と呼ぶことが多いのですが、日本では昔からサケ科の魚のほとんどをマスと呼んでいました。その中で特に大きい種類に「サケ」と名付け、それ以外のすべては「マス」のままでした。

一般的にはニジマスやヤマメ、イワナなどを指してマスと呼ぶことが多いのですが、英語での分類に比べると、日本の「サケ」と「マス」の境目はかなり曖昧なのですね。

ちなみにお味は、サケと比べると若干、魚のクセが強いです。お魚が好きな方には好まれるお味なのではないでしょうか。
また、釣り好きの方で、小型のマス(ヤマメなど)を丸ごと塩焼きにして食べたことがある方もいらっしゃるかもしれません。見た目にも楽しく、自然の恵みを感じられる食べ方ですよね!

まとめ

鮭、サーモン、トラウト、鱒…それぞれの違いについてご説明しましたが、少しややこしいかもしれませんね。簡単にまとめるとこうなります。

1. サケは、サケ科の中の特に大きな種類のこと。海水で生活し、天然物が多く生食はできない!

2. サーモンは、欧米の分類で、海に降るサケ科の魚のこと。お店では生食できるものがサーモンと書かれる。

3. トラウトは、欧米の分類で、淡水で生活するサケ科の魚のこと。または、トラウトサーモンのこと。

4. トラウトサーモン、サーモントラウトとは、海水で養殖されたニジマスの商品名のようなもの。生食ができる!トラウトだけ、サーモンだけの表記の場合も。

5. マスは、サケ科の中で「サケ」の名がつかないすべての魚のこと。淡水魚が多い。

意外にややこしかったそれぞれの違いですが、日本の分類と欧米の分類で差があることに原因がありそうですね。
ですがこれでもう、鮮魚コーナーで悩むことはないはず。ぜひ、食卓に鮭や鱒を登場させてみてくださいね!
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