体は細長く、ヘビのような頭を持つことから、英語では「Snakehead(スネークヘッド)」呼ばれていて、釣り好きや観賞用に飼育している熱烈なファンが多い魚です。
では早速、雷魚がどんな魚なのか見てみましょう!
たくさんの大人を魅了する雷魚は危険なヤツ?
いかかでしょうか?
雷の魚と書き、ライギョと読む、そう聞くとギラギラした厳つくてかっこいい魚を勝手に想像したのですが、なんだか愛らしい見た目。
…ですが油断は禁物です。
雷魚は小魚やカエル、時には水辺周辺に生息するネズミやヘビなんかも捕食してしまう肉食で獰猛な魚なんです。
釣りをする人は雷魚の重量や力に耐えられるための専用ロッドを使用し、ルアーはカエル型ものを用意します。雷魚は鋭い歯を持っていて一度かみついたらその力はとても強く、ベテランの釣り人でない限り口を開けることは難しいのだそう。噛みついたまま頭を激しく振るので一歩間違えば大怪我の危険があります。
名前の由来のひとつに「雷が鳴るまでくわえた獲物を離さない魚からつけられた」という話があるくらいなんですよ。雷魚が危険と言われているのはこのことからなのでしょうか?
食べると危険?寄生虫に気を付けて
雷魚は食用とされていて特に中国では高級魚として位置づけされています。中国では養殖がさかんに行われていて養殖生産量は世界一です。淡白な白身で身がしっかりしていてフグ鍋のフグのような食感が好まれています。
食用として親しまれている雷魚ですが、食べるときには注意が必要です。雷魚のからだには顎口虫という寄生虫の幼虫がついていて刺身などで生食すると顎口虫症(がっこうちゅうしょう)になる可能性があります。
症状が重いときには腸閉塞や心筋梗塞をひきおこしてしまうためとても危険です。必ず加熱するようにしましょう。
一般的に雷魚は揚げ物や鍋などに調理されることが多く、ベトナム料理ではチャーカーと呼ばれる鍋があります。雷魚のぶつ切りをカレー粉で炒めて香草とライスヌードルとともにいただく、ビールによく合う料理だそう。う~ん食べてみたいですね。
雷魚は生食で食べない限り、危険ではない美味しい魚だということがわかりました。
存在が危険? 外来種の雷魚は日本の生態系を脅かす?
もともと雷魚は日本にはいなかった魚です。日本に生息しているのはカムルチー、タイワンドジョウ、コウタイという3種類の雷魚なのですが、カムルチーは1923~1924年ごろ朝鮮半島から私が住む奈良県に持ち込まれた魚だそうです。(正直聞いたことありませんでした!)
外来種だから問題だ! 増えたら大変だ! と思いがちですが、外来種の中でも「特定外来生物」は生態系に害を及ぼす可能性がある生物とされていて、雷魚はそれには指定されていません。ただ「要注意外来生物」のリストには入っているので今後、対応が変わってくるかもしれません。
最近では北海道でも雷魚が発見されていて、もともと日本に生息していたのでないかという説も浮上してきました。雷魚は外来種ではなく在来種なのかもしれないということです。
【おまけ】雷魚を検索したらハタハタが出てきた…どうして?
インターネットで雷魚のことを調べていたらなぜか「ハタハタ」という魚がヒットしました。これはどういうことなのでしょう?
調べてみると、ハタハタは古い言葉で雷の音を表し、現代の「ゴロゴロ」という表現にあたるそう。秋田県で雷の鳴る11月ごろに獲れる魚でカミナリウオの別名でも呼ばれています。漢字で「さかなへん」に「雷」で「鱩」を表すとのこと。
なるほど、ハタハタはライギョと読むのではなく「カミナリウオ」と読むんですね。ちなみにこのハタハタは秋田の県魚で、煮魚や焼き魚、干物にして多くの家庭で食べられています。「しょっつる」という秋田で作られる魚醤はこのハタハタを加工したものなんですよ。
まとめ
結局のところ雷魚は危険な魚なのでしょうか?まとめてみると、
2. 雷魚には寄生虫がいる!生で食べると危険な魚
3. 雷魚は外来種だが、特定外来生物ではないのでそれほど危険な存在ではない
ということです。うまく付き合えば警戒するほど危険な魚ではないようですね。それよりも知れば知るほど雷魚のことがもっと知りたくなってきませんか?愛好家がたくさんいるのもうなずけます。
奈良県では毎年夏ごろに雷魚が良く釣れ、平均57.6センチの大きさのものがゲットできるそうです。釣りをしない我が家ですがこれはちょっと体験してみたいです。
そしてベトナム料理屋さんを見かけたらチャーカー(雷魚鍋)がメニューにないか探してみようと思います。
雷魚って魅力的な魚なんですね。