そういえば昔、友人が「カニとクモって仲間なんだよ」と言っていた気がします。
その時は、そんなわけないじゃん!と思ったものの、そんな話を聞いてしまったら、「カニ」を見る度に「クモ」を思い出してしまってちょっとカニが食べにくいなぁという期間がしばらく続きました。
色々調べてみると、カニはカニでもタラバガニが一部で「クモの仲間では?」と言われているようです。
果たしてタラバガニは「クモ」の仲間なのか?その真実に迫ります!
タラバガニはなんの仲間?クモとは?ヤドカリとの関係は?
ちなみに、タラバガニ属は私たちが普段食べている、いわゆるタラバガニだけではなく、そのほかに4種類いて、タラバガニを含めると計5種類あるそうです。
そして分類に「ヤドカリ下目」とある通り、なんと「カニ」という名前にも関わらず、実は生物学上は「ヤドカリ」の仲間です。
これだけでも「え~!!」ですよね。
じゃあ、ズワイガニや毛ガニは?
ズワイガニや毛ガニはちゃんとカニ下目に分類されているので、生物学上もしっかりと「カニ」として分類されています。
まぁ、ヤドカリの仲間でもおいしければいいのですが、クモよりはましとはいえ、ヤドカリの仲間って言われるとなんだか不思議な感じがしますよね。
タラバガニも見た目はしっかり私たちがイメージする「カニ」なのに、どうして生物学上の分類は違うのでしょうか?
生物学上の、というところがポイントで、素人目には同じような仲間に見えていても、例えば魚でも、うろこの数や普通ではわからないような体の部分の違いで細かく分類されているんです。
ちなみにカニは裏側が左右対称だ、という特徴があります。
この観点でタラバガニを見てみると、残念ながら左右対称ではありません。
他にも他のカニとはハサミを含めた足の本数が違う、とかいろいろな違いがあるのですが、こういった細かい所が異なることによって、タラバガニはカニの仲間に入れてもらえないのかもしれません。
タラバガニって高級なヤドカリだったんですね!てことは、ヤドカリでも食べられるヤドカリがいるのかな?
タラバガニはクモの仲間説はどこから出てきたのか?
タラバガニはヤドカリの仲間だということがわかったところで、なぜ「タラバガニはクモと仲間説」が都市伝説のように出てくるのでしょうか?
カニとクモ、という言葉の部分だとズワイガニがクモガニ科という分類なので、クモとカニがごちゃごちゃになってしまったのでしょうか?
もっとややこしいことを言うと、小学校の教科書等でもおなじみのカブドガニは名前の一部に「カニ」と入ってはいるものの、実際にはクモに近いと言われていますので、そういうことも混ざってしまったのでしょうか。
でも、ズワイガニがクモガニ科だとか、カブトガニはクモに近い、とかそんなマニアックな情報を普通の人が広く知っているわけはないので、ちょっとした情報の聞きかじりが、一部で都市伝説化した、と考えるのが妥当でしょう。
結局、タラバガニのもっと詳しい分類を見てみても、クモとの共通点は「節足動物である」ということくらいでした。
節足動物には、地球上の生き物の70%以上が含まれてしまうそうなので、ただ節足動物だから、というだけで一緒にすることはできなそうですね。
旬の時期はいつ?
タラバガニがクモだろうと(違うのですが)ヤドカリだろうと(分類上はね)贅沢な食材でおいしい、ということは変わりませんので、ここでタラバガニの旬についてお伝えしておきましょう。
そもそもタラバガニというのは「鱈」が取れる漁場で獲れるカニという意味で「鱈場蟹」というそうです。
タラバガニの旬は獲れる場所によって異なるのですが、日本のカニと言えばなんとなく北海道あたりをイメージしますよね?
北海道のお土産に奮発してカニを買う人も少なくありません。
日本の北海道付近で獲れるタラバガニの旬は春から夏が旬です。
でもまぁ、最近は世界中からいろいろなものが輸出入されていますし、冷凍技術も発達しているので一年中食べることができます。
まとめ
カニはクモの仲間なのか?というお話からタラバガニのお話になりましたが、簡単にまとめると、
2.カニがクモの仲間説は様々なカニのいろいろな情報が入り混じった結果、一部で「カニはクモの仲間だ」と都市伝説的に言われているだけなのでは?
カニはクモの仲間ではありません。
3.産地を北海道付近、とすれば春から夏にかけてがタラバガニの旬。
昆虫も魚もプロがしっかりと分類しようとするとかなりややこしくなってくるんですね。
私としては、カニってクモの仲間なの?と信じないと言っておきながら、頭の中ではちょっと気になっていたのでスッキリしました。
でもクモの仲間だったとしても、ヤドカリの仲間だったとしても(仲間です)おいしく食べることができればいいかな、とは思います。
でも、せっかく知ったので今度友達にドヤ顔で豆知識として伝えたいと思います。