魚介類で満点生活

水産物を中心にしたまとめサイト。~雑学・豆知識から水族館まで~

水族館 雑学・豆知識

クマノミの生態って知ってる?性転換が繁殖のカギ?イソギンチャクとの関係とは?

投稿日:2019年8月23日 更新日:

「クマノミ」と聞いて思い浮かぶものは?

多くの人が「ニモ」「カクレクマノミ」と答えるかもしれません。

観賞用の熱帯魚として今も非常に人気の高い魚です。

クマノミ=カクレクマノミと思われる方も多いでしょうが、「クマノミ」はカクレクマノミ以外にも種類があって、それぞれ大きさや体の色、模様等の特長が異なります。

今回は、クマノミについて種類や生態、イソギンチャクとの関係についてもご説明していきたいと思います。

たくさんいるぞ!クマノミの仲間たち!

さて、早速ですがクマノミの仲間についてご紹介していきましょう。

クマノミというのはインド太平洋の熱帯に広く分布する海水魚の一種で、色々な種類がいます。

皆さんがニモでよくご存じの「カクレクマノミ」の他に「セジロクマノミ」「ハナビラクマノミ」「トウアカクマノミ」等、色や模様の違う様々なクマノミが存在します。

色や模様、生息地は異なっても、みんな10㎝前後のずんぐりしたかわいらしい体型は共通です。

日本近海だと沖縄の海で見ることができる種類もあるので、きっと見たことがある人もたくさんいますね!

クマノミの生態って!?性転換するタイミングと理由は?

クマノミの話をする上で、その特徴的な生態である「性転換」について触れないわけにはいきません。

魚類や貝類等、性転換する生物はいろいろいますが、クマノミもその仲間です。

クマノミは集団で生活していますが、生まれた時はみんなオスで、生まれて1~2年程経って、自分が群れの中で一番大きいと認識すると、ホルモンバランスが変化してメスへと性転換します。

そして、群れの中で2番目に大きなオスとペアになって子供を作ります。こういった生態を「雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)」と言います。

なぜ1番大きな個体がメスになるかというと、体が大きい方が卵をたくさん作ることができる、つまり繁殖能力が高く子供をたくさん作ることができるからではないかと言われています。

クマノミは基本的には一夫一妻なので、ペアの片方が死んでしまった場合は3番以下のオスがペアの相手として繰り上がってくるそうです。

なかなか興味深い生態ですね。

クマノミはイソギンチャクが大好き!?その理由は?

クマノミと言えば、イソギンチャクとゆらゆらしている印象がありませんか?

そういえば「ファインディング・ニモ」でもニモの家としてイソギンチャクが出ていましたよね。

イソギンチャクと関わりを持つ魚は多く存在しますが、実際のところクマノミ程イソギンチャクと密接に関わっているものはありません。

クマノミの仲間は全ての種類がイソギンチャクと共に共生しています。

そもそもイソギンチャクは毒を持っているので触れると、魚はもちろん人間もピリッとしたり、なんらかの攻撃を受けます。

でも、なぜクマノミはイソギンチャクにくっついていられるのでしょうか。

実はクマノミは、イソギンチャクの毒に対する免疫を持っているのです。

なぜかというのは諸説ありますが、その免疫は生まれた時から持っているものではないのです。小さな時から少しずつイソギンチャクに接触することで、その毒に対する免疫をつけていくんだそうです。

人間が色々な病気に対して予防接種をするのと似ているのかもしれませんね。

そしてクマノミとイソギンチャクの関係は、お互い助け合って生きている共生関係です。

クマノミは、イソギンチャクの職種の中に隠れることで敵から身を守り、同時にイソギンチャクを狙う他の生物を追い払う、という役割をしているのです。

一緒にいることでお互いの生存率を高めているんですね!

まとめ

今回はクマノミについてお話をしてきました。簡単にまとめると

1.クマノミはニモだけじゃない!色々な種類のクマノミがいてサイズや模様、生息域等様々。

2.生まれた時は全てオス。でも生まれてから1~2年経つと、群れの中で1番大きなオスがメスに性転換!2番目に大きなオスとペアになって子供を作る。

性転換する理由は、体が大きい方が卵をたくさん作ることができるから、と言われている。

3.クマノミは種類を問わず、イソギンチャクと仲良し!クマノミとイソギンチャクはお互いがギブ&テイクの共生関係。お互い一緒にいることで外敵から身を守ることができている。

私はクマノミって、カクレクマノミだけだと思っていました。

ニモのインパクトは強いですからね。

でも調べてみると、カクレクマノミ以外のクマノミもビビットな色使いが華やかでかわいらしくて、見ていて楽しくなっちゃいました。

水族館に行った時、今までよりもさらに熱帯魚の水槽を楽しむことができそうです。

-水族館, 雑学・豆知識

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

水族館で、会えない!? 謎多きマンボウを徹底解剖! 

昔のことですが「家の裏でマンボウが死んでる」という歌がサブカル界隈で流行ったことがありました。 サバが死んでてもふつうです。サメが死んでても怖いだけ。 マンボウが死んでるから。そう。この歌はマンボウだ …

可愛いマンボウに寄生虫?マンボウの不思議と生態

ころんとした体、小さい目がかわいいマンボウは水族館でも人気者です。水の中をゆらゆら泳ぐ姿に癒される人も多いのではないでしょうか。 そんなマンボウですが謎が多い魚として有名です。あまり知られていませんが …

イルカ?クジラ?今さら聞けないアイツらの正体をすっきり解明!?

イルカショーで活躍してくれるイルカたち。とってもかわいいですよね! イルカに会いたくてわざわざ水族館を訪れる人も少なくないはず。 しかし、いざショーが始まると、なにやらイルカじゃない生き物が一緒に泳い …

真珠の母!「アコヤ貝」実はお味もなかなか?気になる生態と特徴

「アコヤ貝」という貝についてご存知ですか? 古くは仏教の七宝のひとつとされ、今でも冠婚葬祭で(もちろん普段使いにも!)大活躍する「真珠」を養殖する際、母貝となる貝です。ネックレスやブレスレット、イヤリ …

映画シン・ゴジラのモデル?「ラブカ」って何だ!?

「ラブカ」というお魚の名前、あなたは聞いたことがありますか? ラブカ自体の化石は5000万年~8000万年前の地層で見つかっていますが、3億7000万年前に生きた最古のサメにも似た特徴を持つため、「生 …