「最近のウナギは高くてなかなか手がでない!」5人家族の家計を握る母としては切実な悩み、土用丑の日なんてなかったらいいのに……そういえばお寿司の盛り合わせや回転寿司でもウナギの変わりに見るのはアナゴのお寿司。そこでちょっとした疑問が浮かびました。
今回はウナギとアナゴの雑学をご紹介したいと思います。
実はどちらも「ウナギ目」で同じ種類仲間
ウナギもアナゴもどちらも同じ「ウナギ目(もく)」の仲間です。
ウナギ目には、ウナギ科・アナゴ科のほかに、「ウミヘビ科」、「ウツボ科」、「ハモ科」などがあります。どれも細くて長いお魚、個性的なフォルムでとても可愛いですよね。水族館の人気者「チンアナゴ」もその名のとおりアナゴ科に属します。
このウナギ目の仲間は産卵場所や生態についてはまだまだわからないことがたくさんある謎の魚といわれています。こうしている今でも世界各国の研修者の手で謎が解明され、どんどん新しい情報が発信されていくことでしょう。
ではこの格差のあるウナギとアナゴの違いって何なのでしょう?
それぞれのこと、細かく調べていきましょう。
知ってた?魚の雑学~ウナギ編
ウナギは川や沼・湖に生息しますが、産卵時期になると海へと帰っていきます。 海で孵化したウナギの赤ちゃんは柳の葉のような形の仔魚「レプトケファルス」と呼ばれ、 そこから5~6センチの大きさに成長をして「シラスウナギ」へと変化します。シラスウナギへと成長をすると川などに戻ってきて淡水の生活をします。
サケのように海で生活・成長して産卵時に淡水に入るのを「遡河回遊(そかかいゆう)」、ウナギは逆の「降河回遊(こうかかいゆう)」という生態です。
日本で主に食されてきたニホンウナギは絶滅危惧種に指定されてしまうほどで、今では食卓に並ぶウナギのほとんどが養殖ものになってしまいました。以前は野生のシラスウナギを取り、そこから養殖をしていましたが、近年ではそのシラスウナギも減少してきたため卵から育てるという「完全養殖」の試みがおこなわれています。
しかし謎な生態が多くて膨大な養育コストがかかり、ウナギの完全養殖への道は前途多難な様子です。
ところで、ウナギと梅干しは食い合わせが悪い!なんて話を聞いたことはありませんか?諸説ありますが、ウナギと梅干しは昔から高価な食べ物で「両方食べるなんて贅沢だ!」ということからいわれたのが始まりだそうです。
実際は鰻を食べた後に梅干しを食べると、梅干しのさっぱりとした酸味がウナギの脂を緩和してくれるので食い合わせは良いとも言われているんですよ。
知ってた?魚の雑学~アナゴ編
外見はウナギにとても似ていますがアナゴには鱗がなく、胴の側面に白い点々があります。ウナギとは違い、一生を海で過ごします。日中は岩穴や砂に穴を掘ってもぐり、夜になると甲殻類や小魚や貝類などを食べに出てくる肉食の魚です。
穴にこもっているので「穴籠り」、これが名前の由来といわれています。アナゴにはさかなへんがつく漢字はありませんが「海鰻」と書いてアナゴと読むこともあります。ただ「うみうなぎ」と読んで、アナゴだけではなく同じような形のハモやウツボなどとまとめられてしまい、どこかウナギのわき役のようなポジションになってしまっています。
そんな2番手?のアナゴですが、自慢できるところもいくつかあります。マアナゴの稚魚もウナギと同じ レプトケファルスなのですが、高知県では「のれそれ」と呼ばれ珍味として有名です。岡山県では「ベラタ」兵庫県淡路島では「ハナタレ」と名前は違えどいろいろな地域で愛されています。
そして、ウナギの代名詞・土用の丑の日のように、実は「アナゴの日」があります。語呂合わせで7月5日はアナゴの日、日本記念日協会に登録された記念日のひとつです。
まとめてみると……
2. ウナギば海でうまれて川へ帰る「降河回遊魚」
3. アナゴは地味だけど「アナゴの日」があったりと魅力がたくさん!
うーん、私が思っていたよりもアナゴも魅力的な魚だったようです。
そしてウナギもアナゴ、どちらも謎の多い魚ですが、ネタになるようなおもしろいエピソードがたくさんあります。
ご家庭でもお酒の席でも、美味しく楽しく「魚の雑学」を披露してみてくださいね!