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海に住んでるダンゴムシ!?グソクムシって食べることができる?

投稿日:2023年12月15日 更新日:

一部で海のアイドル、いやもとい、カルト的な人気になっているグソクムシという生物を知っていますか? 見たことがありますか?
ダンゴムシのような見た目で海底に住む、ちょっとキモかわいい生き物です。

中にはダイオウグソクムシといわれる巨大な種類もいます。

そんなグソクムシ、実は食べることができるって知っていましたか?

陸上にいるものですら「虫」を食べるなんてハードルが高いのに、海の中の虫?
そもそもそんな得体のしれないもの、食べたくないよ!と思われるかもしれません。

さらに、とある自治体にふるさと納税をしたらその返礼品として選ぶことができたこともあるとか、お土産でグソクムシの加工品が売っている所があるとかないとか..
そんな不思議なグソクムシについて迫りたいと思います!

グソクムシって?その生態は?

そもそもグソクムシって何なのでしょうか?

グソクムシは深海に生息する甲殻類の1つで、等脚目スナホリムシ科に属する海生甲殻類です。

深海の砂地の海底に生息していて、主に海洋生物の死骸を食べます。
その生態から海の掃除屋ともいわれています。
とてもグロテスクで、それこそアニメの敵役や甲冑のモデルになりそうなインパクトの強い見た目をしています。
だから、一部のこういった生物を愛する人達からは大人気で、ぬいぐるみなどのグッズも即売れてしまう程の人気だそうです。

ダンゴムシやフナムシ等と同様に等脚目に属する、つまり大きく言うと仲間です。
見た目もなんとなくダンゴムシっぽいので「海に住むダンゴムシ」と言われることもありますが、ダンゴムシではないので触ると体を丸くする、というようなことはありません。

代表的なグソクムシは?

代表的なグソクムシとして、オオグソクムシダイオウグソクムシがいます。

「オオ」だったり「ダイオウ」だったり、たいそうな名前がついていますね。
そういえばイカにもダイオウイカという巨大なイカがちょっと昔に話題になったことがありますね。
それぞれについてご説明いたしましょう。

〇オオグソクムシ

大体深海の150mから600mあたりの海底にいて、体長は10cmから20cmで、日本近海に生息しています。
え?ムシっていうわりに結構大きくない?と思いませんか?
目の前に20cmの虫が出てきたら結構びっくりしますよね?
日本に生息する中では最も大きいものですが、次にお話するダイオウグソクムシはこれより、かなり大きいですよ。

〇ダイオウグソクムシ

ダイオウグソクムシは日本の近海にはいません。
主にメキシコ湾や西大西洋の深海200mから1000mあたりの砂地の海底に生息しています。
体長は20cmから40cmで世界で最も大きなグソクムシです。
え?ちょっと待って?40cmって!デカッ!

深海って深くなれば深くなるほど、光は届かなくなりますし、どんどん生物も減ってくるはずです。
海底1000mと言えば光は届かない暗黒の世界で、生物もかなり少ないはず、なのにどうしてそんな巨大な体になるのか、そしてその体を維持するだけの餌が深海にあるのか等、その詳しいメカニズムはまだわかっていないことが多いのが実情です。

グソクムシって食べられるの?

さて、そんな謎の生物「グソクムシ」ですが、食べることができるのでしょうか?

食べることができるかできないかで言うと、「食べられる」のですが、積極的に食べたいというよりは「食べられないこともない」くらいの位置づけでしょう。

グソクムシなんて、売っているのを見たことないですもんね。
広く流通しているものではなくて、駿河湾の一部の地域では深海魚に混ざって捕獲されることがあるので、売られている場合もあるそうですが、味がどうこうというよりも前に独特の臭みがかなり強いそうです。

でも、実際食べてみるとエビやカニに近い味で美味しいとの声もありますが、そもそも食べられる部分が少ないので、独得の臭みと合わせてそれが流通しない理由かもしれませんね。

そんなグソクムシですが、なんと2015年春に焼津市でグソクムシの粉末入りの煎餅が発売されて人気だったようです。
食べる部分が少なくても、確かに粉末にすれば、なんとなく成立しそうですね。
グソクムシのぬいぐるみと合わせれば、お土産として話のタネにはいいかもしれません。

まとめ

「海の掃除屋」「海に住むダンゴムシ」のグソクムシについてお話してきましたが、簡単にまとめると、

1. グソクムシは深海に生息する甲殻類の1つで、等脚目スナホリムシ科に属する海生甲殻類。海洋生物の死骸を食べる海の掃除屋

2. 代表的なグソクムシはオオグソクムシとダイオウグソクムシ。日本近海にいるのはオオグソクムシで体長は10cmから20cm程度。
ダイオウグソクムシは20cmから40cm程度でどちらにしても巨大。

3. グソクムシは食べられないこともないが、味がどうこうと言う前に、その独特の臭みが気になる。実際に食べてみるとエビやカニのような味がするらしい。

私は、人がえっ?って思わず驚くような食べ物でも大抵のものは食べることができるのですが、ちょっとさすがにグソクムシは気が進みません。

死骸が主食で臭いが強い、と聞いたら、そこまでして食べなくてもいいかな?と思ってしまいました。思わず躊躇してしまいますね。

でも、ちょっと興味はあるので、もしまだ粉末入りの煎餅が売っているのであればそこから試してみようかな?と思います。それならまだハードルは高くない(はず)なので…

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