海鮮物、イクラにカズノコ、タラコにトビコ、そして筋子。
好きな方も多いですよね。これはすべて魚卵というくくりになりますが、味、色、ともに、それぞれが違う顔を持った食べ物たちです。
割と高めなので何か特別な時に食べるものもあれば、普段から口にしているものも多いのではないでしょうか。
そんな風に考えたことはありませんか? 旬の時期から栄養まで、美味しいものほど気になっちゃいますよね。
いろいろと疑問をお持ちの方のために、この5つについてまとめてみました!
どのお魚の卵なんでしょうか?
実はこの5つの卵のうち、イクラと筋子は同じ種類の卵ですよね。イクラ好きの方には当たり前だったでしょうか? 一目瞭然なくらいに色も形も似通っています。
イクラと筋子はサケの卵!
そう、サケですね!正確にはサケ科の魚類なんですが、サケ科の魚類から卵巣に入ったそのままの状態が筋子です。
イクラを口にする機会が多い方はわかるかと思いますが、筋子ってイクラのかたまりになってます。
自分の手でばらしてみようって思った方もいるかと思います。
そして実際に生の筋子を購入して、イクラにする方もいらっしゃいます。
卵巣膜は卵(イクラ)を包んでいる薄い筋みたいな膜です。
イクラと筋子、その旬の時期は!?
まず秋鮭漁が解禁されるがもっとも早いのが、北海道。8月後半から9月にかけて解禁されます。
その後、11月になると三陸や新潟でも漁が本格化してきます。解禁となった頃は、まだまだ未成熟の卵の状態です。
この9月~11月頃が筋子の旬になってます。店頭で見つけやすいのは10月頃から、このころを境に徐々に卵が大きくなってきます。イクラ好きには待ち遠しいですね。
また、イクラについては年中店頭で見かけますね。
ですから、「イクラをより美味しく食べたい!」と思う方中には、10月頃、卵が成熟してきて、筋子からイクラを作り出せる時期に筋子を購入される方もいらっしゃいます。既製品のイクラではなく、筋子の状態からつくるイクラはよりみずみずしくて美味しいのです
さらにいうと、11月頃には卵がさらに成熟して、粒もより大きくなってきます。まさに旬の状態になるということですね。この時期まで待って、既製品は勿論、生筋子から作ってぷっちりとした食感から味まで楽しむこともできますね!
イクラの美味しい食べ方!
イクラって割とアレルギー症状を引き起こしやすい食べ物だって知っていましたか?
アレルギーの原因は、食物に含まれるたんぱく質なんですが、イクラの皮って、消化されにくいんですよね。
それでいて生で食べるものなので、体も異物と認識しやすい特徴が。なので、注意したほうがいい食べ物とも言われています。加工、加熱すれば問題ないという説もありますが、医学的な根拠はないようですよ。しっかり確認していきたいですね。
そんなイクラですが、醤油漬けやたれをつけて食べることが多い食べ物ですよね。
美味しく、味を染み込ませたい場合には、半日、もしくは1日、醤油に漬けておくいいですよ。
自家製の醤油やタレを作って召し上がる方もいるようなので、美味しさにこだわりたい方は是非色々と試してみてください。
イクラに限らず、だとは思いますが、味が染み込むほど食べ物は美味しくなりますよね!
イクラを食べるのは珍しい!?
実はイクラを食べる国って結構珍しいようで、イクラを食べる習慣がない国では、収穫したサケの卵は、日本へ輸出されるそうです。
漁をしたその場でサケの卵は内臓とともに捨ててしまう国もあります。もったいないですよね!
また、アメリカやカナダでは瓶詰されて釣り餌になっていくようです。
ただし、日本食ブームの一端として、寿司ネタとして、イクラを食するようになってきたとか。釣り餌として扱ってきたものを食べるんだから驚きの感覚に思います。
たまーに、高級食材としてスーパーに置かれていることもあるようです。
また、西欧ではバターを付けたパンにのせて食べることも多いみたいです。ご興味ある方は食べてみてはいかがでしょうか!? 日本人の口にも案外美味しいかもしれません!
実はこんなものも! 人口イクラ
見た目も口当たりも味さえも、本物のイクラと見分けがつかない人口イクラなるものがあります。
コレステロール値も低いようで、ダイエット食品として期待がかかっていますが、人件費含めて、人造のものよりも天然ものの方がコストは安く済むため、残念ながら市場に出てくることがまずない食品のようです。
是非とも試しに食べてみたいですね!
筋子の特徴と美味しい食べ方!
筋子って魚卵類の中では最も高価な食品です。そして、その中でも最も価値が高いといわれているのがシロサケです。
今流通している筋子のほとんどは塩漬けされた塩蔵品が多いようですが、未加工の生筋子もあります。こちらは旬の時期に出回ってきます。
塩筋子に関しては、保存も効くので、年中出回っています。ただしこちらはほぐしてイクラにするには向きませんので、ご飯やお酒と一緒に楽しむのが良いですね!
大根おろしと一緒に食べるのも美味しいですよ!
そして筋子を美味しく食べるには、イクラにする方も多いように思います。その際には生の筋子を購入します。
生筋子は、40℃くらいの塩水に漬け洗いしてほぐしていくと、柔らかく取れてきます。臭いもありますので、ほぐれてからも何回か洗うのが望ましいですね。ぽろぽろと取れていくさまは、なんだか気持ちいいですよ。
塩水を作る目安は、500ccの水に、大さじ一杯強のお塩です。
ただし、ある程度成熟した時期には旬のイクラの時期になりますので、イクラでも大丈夫です。「より美味しく!」そんな方は筋子からイクラにするのも一つ!
個人的には高価な筋子から食べてみたいです!ほぐすのが楽しそうです!
カズノコ。お正月にお馴染み。実はイクラと同じで……
ぷりっとした食感が印象的なカズノコさん。その親はニシンになります。
価格の方が基本的に高めなのと、見た目が黄金色をしているので、別名「黄色いダイヤ」とも言われています。
ダイヤって名前がもう高級感たっぷりですよね!
多くは天日干しや塩漬けなどにして流通しています。
おせちにもよく用いられる食べ物なので、みなさん正月ごろによく口にされるのではないでしょうか。
食感とともに、ちょっと甘酸っぱいところがいいアクセントを出している食べ物ですよね!
ただこのカズノコも、イクラと同じく、食されるのは日本くらいのようです。
他の地域では、日本への輸出が始まるまではすべて廃棄だったとか! これまたもったいない!
ちなみにカズノコにはコレステロールが含まれているようですが、それを消し去るだけのEPAも含まれているようで、コレステロール値が減少している人もいるそうですよ! さすが黄金のダイヤですね。
カズノコは3月、4月が旬の魚卵です!
DHA、EPAがとても高いカズノコ
先に触れたカズノコのEPA。しかし、それ以上にカズノコに特徴的なのが、DHAの多さです。
なんですが、このうちDHAというのは、脳機能改善効果に期待がかかる物質です。いわゆる「頭がよくなる物質」
眉唾ものに聞こえるあれですが、不足すると脳機能の低下につながり、補給することで回復につながる物質ですね。
EPAは血液をきれいにする物質。血液をサラサラにする物質と言われています。
また、どちらも動脈硬化予防があるとも言われています。このどちらも、カズノコにはとっても多い! 可能ならば日常的に食したくなる食べ物ですね!
カズノコの選び方
塩漬けと塩抜きがあるけれど……
カズノコには2種類あります。塩漬けされたものと、塩抜きされたもの。
今出回っているもののほとんどは塩漬けされたもので、薄皮がついています。
ですが、薄皮のついていない塩抜き。これは鮮度が落ちているものになりますので、カズノコを選ぶ際には、塩漬けされたものを選びましょう!
(塩抜き自体がもう少ないようですが)
黄色いものを選びましょう!
カズノコは黄色い色をしたものがほとんどですが、見た目の良さを重視して、漂白されたものもあります。
漂白すると、見た目はよくなりますが、カズノコ自体が弱り、あのカズノコ独特のコリコリっとした食感が失われてしまっています!
カズノコのあの食感が非常に好きなので、とても勿体ないと思ってしまいます!
カズノコは黄色い新鮮なものを選びましょう!
カズノコを美味しく頂こう!
カズノコは先にあげた通り、塩漬けされているものがとても多いです!そのため、塩抜きをしないと、辛くて食べられません!
ではどうするか。
1リットルの水を用意して、小匙1杯程度の塩を溶かします。その中に数の子を入れて半日ほど漬けておき、それから2~3回ほど新しい塩水に変えていきます。これで自分好みに塩抜きをしていきましょう!
塩抜きをしたら、鰹節や明太子、わさびにマヨネーズなど、お好きなものと合わせて召し上がることができますよ!
たらこ
たらこはその名の通り、タラの魚卵です! そしてもっと正確には、タラの魚卵を塩漬けにしたもののことを言います。
ふりかけからタラコスパゲティから、たぶん、みなさんお馴染みの魚卵ですね!
そして、「た~らこ~、た~らこ~……」がキャッチフレーズの、パスタソースの某テレビCMがとても有名です!
そんなたらこ。旬の時期は11月~1月。特に12月がとても美味しい時期です!
また、たらこと言えば同時に明太子を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか?
この二つはどちらも一緒のものを指しています。
明太子って「たらこ」を表す、元は福岡の方言なんです。今では特に、唐辛子で辛い味付けをした、たらこのことを明太子と広く言っていますね!
バリエーション豊富なタラコ料理
加熱して焼きタラコ、おにぎりやお茶漬けの具にもされたり、イカと合わせてサケのおつまみに!先に書いたパスタソースにもお馴染みですね。
魚卵にしてはかなりバリエーション豊富に使われる食材です。
レシピサイトで検索すると、卵やバターと合わせたりもされています。
別名「赤いダイヤ」。黄色いダイヤのカズノコと並び称されていますが、活躍の幅は圧倒していますね。
ただし良いばかりじゃないタラコの特徴!
そんなタラコですか、もともと塩漬けにされていることからも連想できるように、塩分が高いです。加えてコレステロール値も高く、摂りすぎには注意が必要です。
しかしながら、ビタミンA、ビタミンB3が豊富な食品でもあります。健康食品ではあるようなので、程度が肝心ですね。
また、市販で流通するたらこは、食中毒の危険性もあります。原因菌のリステリアの影響を受けているのだとか。
さらにイクラと同じく、アレルギーを起こすことでも有名な食品のようです。ご自身の体に合うか、下調べは必要ですね!
トビコ
トビコは飛び魚の魚卵を塩漬けにした食品です。
あの海の上を飛び跳ねていく魚です。トビコの特徴としては、イクラよりも粒が小さく、黄金色の卵が集まったものですね。
感触としては皮が固い分、噛むと弾けた感じで、柔らかなイクラと対照的です。
旬は6月~8月頃。
ただ、トビコって、あんまりお店には売ってないこともあるんですよね。アマゾンなど含め、ネットで検索すれば取り扱う通販サイトもありますので、トビコがない!という方は是非、お目当てのものを探してみてください。
また寿司ネタとしても有名ですね!ちらし寿司や軍艦巻き!トビコとイクラで食べ比べした、なんて方もいると思います。
トビコのヒミツ
トビコの弾けるような食感、甘い味は、化学添加物を使って作られているとも言われています。
このことは、JTBC「味覚スキャンダル」という番組で放映されたようです。あの色さえも食用の色素で作られているようでした。
本来のトビコは何の色も味もないもの。そんなトビコが海外から輸入され、食品添加物で味、色ともに彩られていくということでした。
どこまでが真実なのかはわかりませんが、トビコ以外にもそういった食品は日本に数多く存在しますね。コンビニの食品なんてものはその最たるものでしょう。
ただ、そんなトビコですが、見た目がキャビアに近いので、黒く着色させて、人口のキャビアとして代用され、食されることもあるんだとか! なんか興味が沸いてきませんか?
色々な顔を持っているようですが、自分たちで責任を持って楽しみたいものですね。
まとめ
イクラ、筋子、カズノコ、タラコ、トビコ。同じ魚卵ですが、ざっとまとめるだけでも違いはたくさんありました。
2. 栄養成分も高いカズノコですが、選び方には注意しましょう!
3. みんなお馴染みのタラコ。いろんなバリエーションのお料理が楽しめます!
4. お寿司でよく見かけるトビコ。キャビアに変身するという一面が。
5. 実は魚卵を食べる国ってかなり稀
今回は色々な魚卵をご紹介しました。
それぞれの旬を意識して生活に取り入れていけば、より一層楽しい海鮮を楽しめますし、選び方で美味しさも変わってきますね!
特に、魚卵を食べる習慣のあるのは日本の食文化くらい。是非これからも堪能していきましょう!