魚介類で満点生活

水産物を中心にしたまとめサイト。~雑学・豆知識から水族館まで~

水族館 雑学・豆知識

水族館の人気者「チンアナゴ」の名前の由来って?気になる生態は?

投稿日:

数多くの水族館で飼育されているチンアナゴ。砂から体を覗かせてゆらゆら揺れている姿がなんとも言えず可愛いですよね。

名前も見た目もちょっと不思議なチンアナゴですが、あまりその生態は知られていないような気がします。

今回はチンアナゴの名前の由来や生態についてご紹介したいと思います。

チンアナゴの名前の由来

チンアナゴは日本での呼び方で、漢字で書くと「狆穴子」と表します。これを見るとピンと来た方も多いかもしれません。

チンアナゴの名前の由来、それは日本の「狆 (ちん)」という犬に似ていることからつけられました。体の白黒の模様とくりっとした目が特徴の狆とチンアナゴ、たしかに似ています。

英名は「スポッテッドガーデンイール」といいます。斑点のある体(spotted)、砂底から頭を出す姿が庭(garden)の草木が生えることに似ているウナギ(eel)というのが由来とされています。

えっ!チンアナゴってウナギなの?!

チンアナゴの英名は「スポッテッドガーデンイール」。「イール」はウナギのことだと説明しましたが、これを聞いて「チンアナゴはアナゴじゃなくてウナギなの?」という疑問をもった方も少なくないはず。

実はこの「イール」という単語はウナギ目の魚という意味があります。チンアナゴはウナギ目アナゴ亜目アナゴ科に属する海水魚の一種。ざっくり言うとアナゴはウナギ目に分類されるウナギの仲間ということです。

なんだか魚っぽくない見た目のチンアナゴですが、ゆらゆら揺れているだけではなく、もちろん泳ぐこともできます。よ~く見てみると、小さいですがちゃんとヒレやエラも存在しているんですよ。

チンアナゴの生態

水族館ではよく見るチンアナゴですが、自然界の中ではどんなところに生息していてどんな生態をしているのでしょうか?

チンアナゴはインド洋や西太平洋サンゴ礁の砂底に生息する生き物です。日本でも高知県から沖縄近辺に分布しています。

細く長い体はだいたい全長35センチほど。群れをつくって生活し、頭を砂の外に出して潮の流れにのってくるプランクトンを食べます。

体はいつも穴の中に入っていて敵などが近づくと、さらに全身を穴のなかにひっこめて隠れます。チンアナゴは警戒心が強く臆病な性格といわれています。

チンアナゴが生息するのは水深10メートルくらいの場所です。それほど深くないところなのでダイビングでチンアナゴと出会うなんていうチャンスもあるんですよ。

あなたが思っているチンアナゴ、もしかしたらチンアナゴじゃないかも?

実際、わたしは「チンアナゴって色々な柄があって可愛いなぁ。どちらかというとあのオレンジと白のシマシマの方が好きだなぁ~。」なんて思っていました。

ですが実はそのオレンジと白のシマシマの可愛いアイツはチンアナゴではなかったのです!

これにはとてもびっくりしました。

私の名前はニシキアナゴ

オレンジと白のシマシマが可愛いこの魚はニシキアナゴといいます。このニシキアナゴ、ウナギ目アナゴ亜科アナゴ科…まではチンアナゴと同じなのですが「シンジュアナゴ属」といって「チンアナゴ属」とは違う分類とされています。

生息している場所もチンアナゴと重なる部分があります。ですが、ニシキアナゴはチンアナゴよりも生息地は広くフィリピンやモルディブも海などでも見ることができるようです。

ニシキアナゴは、チンアナゴが丸顔なのにくらべて少し面長で口先がとがっています。関西風に言うと「シュっとした顔」で、体長も40センチ程と少しだけチンアナゴよりもスタイルが良かったりもするんですよ。

いつか知ってる?「チンアナゴの日」

ご存知でしたか?まさかのまさか、日本には「チンアナゴの日」とされる日があったんです!実は11月11日は「チンアナゴの日」

これは東京にある「すみだ水族館」が、人気者であるチンアナゴをさらにアピールするために制定したもので、日本記念日協会で正式に認定されている記念日です。このチンアナゴの日は、砂の中から体を出している姿が「1」に似ていることと、群れで暮らす習性があることから1年の中で最も「1」が集まる11月11日に決められたそうです。

毎年「チンアナゴの日」には各地の水族館で楽しいイベントが開催されています。チンアナゴファンの方も、そうでない方も一度足を運んでみる価値あり!可愛いチンアナゴの世界に浸ってみてください。

まとめ

意外と知られていないチンアナゴの名前の由来と生態をご紹介しました。

1. チンアナゴの名前の由来は「狆」という犬と似ていることからつけられた

2. サンゴ礁に住むチンアナゴは警戒心が強く臆病な生き物

3. チンアナゴだと思っていたのは実は違う種類、ニシキアナゴだった

水族館に行った時はぜひ「チンアナゴうんちく」を披露してくださいね。

-水族館, 雑学・豆知識

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

気になる「ナマズ」のあれこれ。言い伝えからお味まで!?

日本で古くから愛されてきた淡水魚「ナマズ」。ちょっと気の抜けたような?可愛いお顔を愛でるだけでなく、貴重な食材として大切にされてきました。 そして気になるのが「地震を予知できる」という言い伝え。本当な …

クマノミの生態って知ってる?性転換が繁殖のカギ?イソギンチャクとの関係とは?

「クマノミ」と聞いて思い浮かぶものは? 多くの人が「ニモ」「カクレクマノミ」と答えるかもしれません。 観賞用の熱帯魚として今も非常に人気の高い魚です。 クマノミ=カクレクマノミと思われる方も多いでしょ …

タラバガニはヤドカリの仲間って本当!?カニとの違いとは

お祝いなど、特別な時に食べるもののひとつとして、カニが挙げられます。 「今日はカニを食べに行こう」なんてことになったら、とてもワクワクしますよね!集中するあまり、黙々と身をほぐしていく…というのもまた …

イカの目について知ってる?ちゃんと見えてる?その構造は?

「イカ」を丸々1杯買って調理したことはありますか? 調理済みのものや、切り身になって部分だけ売っている時には見ることのない、イカの大きな目にびっくりする人も多いのではないでしょうか? 体の大きさに対し …

サワラって出世魚なの?サワラの生態から美味しい食べ方まで!

「出世魚」って聞いたことはありますか?「しゅっせうお」と読み、成長と共に名前が変わっていく魚のことを言います。 なぜ「出世魚」というのかその由来は諸説あるのですが、成長するにしたがって大きさや外見、生 …