クイズ番組でもよく聞くフレーズ、みなさんは「ブリ・ハマチ・カンパチの違い」を知っていますか?
ブリは大きくなるにつれて名前が変わっていって…なんとなく知っていましたが、いざ聞かれるとあやふやになる答え。
しかしネットで検索すればすぐに情報が出てくる便利な時代です。気になることはサクっと調べて解決してしまいましょう!
ブリはたくさんの名前をもつ出世魚(しゅっせうお)
スーパーでも気軽に手に入るブリ、我が家でもブリ照りは子供たちの大好きなメニューです。ブリにはたくさんの名前があることは有名な話ですよね。関東ではモジャコ、ワカシ、イナダ、ワラサと名前を変え、80センチほどの大きさに成長したところでブリと呼ばれるようになります。一方、関西ではツバス、ハマチ(でてきましたハマチ!)、メジロ、そしてブリになります。
成長や環境の変化に合わせて移動する回遊魚でイワシやアジ、イカやエビを食べて成長するので栄養たっぷり、ありがたい食材です。
出世魚のブリはその名にあやかり、めでたい席にも用いられます。関西では年取り魚(としとりざかな)といって大晦日に、正月魚(しょうがつうお)としてお正月に食べる習慣があります。
冬が旬のブリですが、11月~2月頃に出回る「寒ブリ」は脂がのっていてとても美味しく高級魚として扱われます。この時期になると寒ブリの1本釣りのドキュメント番組が放送されるのも楽しみのひとつ。漁師の方が生み出すドラマと美味しそうな映像に毎回くぎ付けです。
いろいろあるハマチの定義と現実
先ほどお話したとおり、ハマチはブリの成長過程で使用される名前のひとつですが、天然ものをブリ、養殖ものをハマチと区別するための呼び名にもなっています。
養殖技術により安定して1年中食べることができるため、刺身の盛り合わせや寿司屋での定番メニューとして欠かせません。もっぱら我が家は回る方のお寿司屋さんですが。
養殖となるとどうしても天然ものより劣るイメージがありますが、技術が進化により質の良いものが市場にでてくるようになりました。マグロのトロが人気のように、脂を好む人が増えてきた結果、最近では脂ののった養殖のハマチをさらに成長させて養殖のブリとして出荷するようになっています。
スーパーで「ぶり(養殖)」と表記して販売されているのはそういうことだったんですね。てっきり養殖ということを書かないとクレームがくるからだと思っていました。
でもそうなるとハマチの定義はやはり大きさによりということになるのでしょうか。世の中の常識がどんどん変わっていくのはとても面白いです。さらに面白いことに時期によっては天然ものより養殖ブリの方が脂がのっていて好まれ価格が高くなることもあるそう。肩書きよりも中身(美味しいもの)が選ばれるのはなんだか嬉しい話ですね。
そもそもカンパチっていったい何者?
そして最後にカンパチですが、海がない奈良で生まれ育った私は名前を聞いたことがあっても今まで特に気にも留めない存在でした。 この流れからするとブリの成長過程の中で呼ばれる名前のひとつなのかなと思いましたが、どうやらそうではありません。
カンパチは「スズキ目アジ科ブリ属」とされていて、ブリではありませんが同じ種類の仲間です。親戚のようなものでしょうか。切り身の見た目はブリとそっくりです。ちなみにブリ属は、ブリ・ヒラマサ・カンパチ・ヒレナガカンパチの4種類の魚のことをいいます。ブリ・ヒラマサ・カンパチは「ブリ御三家」や「ブリ3兄弟」なんていう愛称があるようです。
夫の祖父は昔、愛媛で漁師をしていました。夫の話によるとカンパチもブリのように高級魚で祝いごとでもよく使われていて人気の魚。カンパチが釣れた日の祖父は「儲けた!」ととても機嫌がよかったそうです。
調べていてもピンとこなかったので実際に購入して食べてみました。すると、食べたことのある味…「そうだ!いつもハマチのとなりにある謎の魚…これがカンパチか!」マグロやサーモンのように華やかではないですが、いわれてみればあっさりしていて上品な味わいです。コリコリとした食感は他にはない魅力です。すっかりカンパチの虜になりました。
まとめてみると、
2. ハマチはブリの小さいころの呼び方だが、少しずつのその定義が変わっている
3. カンパチはブリとは違う魚だが同じ種類
ということですね。ちょっとした雑学を身につけておいたら忘年会や新年会、帰省などみんなが集まるこの時期、話に花が咲くこと間違いなしですよ。