パスタやリゾット、パエリアにカレー。変わり種だとソフトクリームも!ブームが起きてから、色々なところで目にするようになったイカスミ料理。
スミと言うだけあって、料理に使うとかなり真っ黒になってしまうため、見た目で食わず嫌いになってしまっている方も少なくないかも?
ここでは、そんなイカスミの成分やお味、タコスミとの違い!などをご紹介します。
元々お好きな方はもちろん、なんとなく苦手意識を持っている方!ぜひこの機会にイカスミについて知ってみませんか?
イカスミの成分は?
うま味成分でもあるアミノ酸は、主にタウリン、その他にアスパラギン酸やグルタミン酸、アルギニンなどが含まれています。それぞれ、
アスパラギン酸 疲労回復、ミネラルを体中に運ぶ働き
グルタミン酸 集中力や記憶力の向上、疲労回復
アルギニン 免疫力向上、疲労回復
これらの効果が期待されています。やはり疲労回復効果が目立ちますね!
では、ムコ多糖類とはというと、皮膚や関節、腱などの体中に存在していて、細胞どうしを繋いでいると言われるものです。
保水力が高く、関節のクッションになったり動きをサポートしているムコ多糖類。その他にも、血液が固まらないようにしたり、血中コレステロール値を下げたり…などの働きがあります。
ムコ多糖類の「ムコ」は粘液性という意味を持ち、サプリメントでもよく見る「ヒアルロン酸」や「コンドロイチン」もこのムコ多糖類の仲間です。
その他は脂質や糖質が含まれていますが、真っ黒な色はユーメラニン色素によるもの。黒い髪の毛も、このユーメラニンが多いためなのです。
イカスミ本来の味って?
イカスミ料理を食べることはあっても、イカスミそのものだけを口にする機会はほとんどないですよね。
イカスミそのものは、味というよりもアミノ酸によるうま味とコクでできているようなイメージです。イカの旨味を凝縮したような…と表現されることも。
風味は磯の香りですが、鮮度が落ちると生臭さに変わってしまいます。
食感は少しザラザラとしていて、ちょうど、書道で使う固形タイプの墨から作った墨汁のような舌触りです。
墨汁を舐めたことがない方は、スパイスから調合したカレーを想像していただくと近いかもしれません。
そんなイカスミを料理に使う場合、相性のいい白ワインやにんにく、アンチョビなどで臭みを消したり、更にコクを引き出したりすることが多いです。
イカスミ料理ではパスタが人気ですが、イカスミ以外で使われているのは塩、にんにく、オリーブオイル、唐辛子であることがほとんど。ペペロンチーノとほとんど同じなのに、イカスミを加えることで驚くほどコクが出ます。
イカスミ恐るべし、ですね!
タコスミ料理は見たことがない…?
イカスミ料理が人気なら、タコスミは?と考えたことはありませんか?
実はタコスミ、イカスミよりも水っぽいのですが、うま味成分であるアミノ酸が2倍以上多いということがわかっています。
ですがタコの墨袋は体の奥の方にあって取り出しにくいことや、タコスミの元々の量が少ないこと、また、水揚げの際にほとんどのスミを吐いてしまうのであまり残らない…ということから、料理に使うのは現実的ではありません。
とは言え、実はタコスミを使った料理を提供するお店もあります。気になる方はぜひ調べてみてくださいね!
イカスミとタコスミの違い
さて、具体的にはイカスミとタコスミの違いはどのようなところにあるのでしょうか。
それは、スミの使い方に関係してきます。
イカが海中でスミを吐くと、スミが形を保ったままになります。それを見た天敵が、もう1杯のイカが現れたと勘違いした隙に逃げる…というのがイカスミの使われ方。身代わりということですね。
ですので、イカスミはドロドロしています。そのドロドロがパスタなどによく絡んでおいしくなるのですね!
一方、タコが吐いたスミは海中に広がっていきます。それによって天敵の視界が奪われた隙に逃げる、いわば煙幕のような使い方です。
ですので、タコスミはイカスミに比べると粘度が低く、サラサラで水っぽいのです。
まとめ
2. イカスミそのものの味は、うま味とコク、磯の香り。舌触りはちょっとザラザラ!
3. タコスミはイカスミよりアミノ酸が多いが、量が少なかったり取り出しにくいのであまり使われない
4. イカスミは粘度があり、変わり身の術に使う。タコスミはサラサラで煙幕に使う
真っ黒な見た目で敬遠されがちなイカスミ料理。デートの時には食べられない…など言われてしまいますが、実はとってもおいしくて、しかも体にいいのです!
イカスミ料理がお好きな方は、これからもどんどん楽しんでください。
苦手な方も、もし魚介類がお好きなら気に入るかも?機会があれば挑戦してみてくださいね!