魚介類で満点生活

水産物を中心にしたまとめサイト。~雑学・豆知識から水族館まで~

料理 雑学・豆知識

実はサメではなかった!チョウザメの生態とその卵、キャビアのお話

投稿日:2019年4月5日 更新日:

世界の三大珍味と言えばキャビア・トリュフ・フォアグラですよね。

どれも高級でなかなかお目にかかる機会が少ない食材です。

その中のひとつ、「海の宝石」ともよばれるキャビアはチョウザメの卵の塩漬けのことをいいます。

「チョウザメ」と聞いてその姿がぱっとイメージできないのは私だけでしょうか。体は大きいの?人を襲うような狂暴なサメ?高級食材ということは珍しい生き物なのでしょうか?今回はチョウザメとその卵、キャビアについてご紹介したいと思います。

不思議な見た目、チョウザメの生態

チョウザメはチョウザメ目に属する生き物です。チョウザメ目にはチョウザメ科とヘラチョウザメ科があり、あわせて27種類ほどの仲間がいるとされています。

漢字で書くと「蝶鮫」、体に硬いウロコを持っていてウロコのかたちが蝶に似ていることからチョウザメという名前がつきました。名前に「鮫」がつきますが、チョウザメはサメの仲間ではありません。

サメは軟骨魚類なのに対してチョウザメは硬骨魚類でそもそも違う系統の生き物です。

チョウザメはサメとは違って歯がありません。かなりイカつい顔をしていますがとても温厚な魚です。

これぞギャップ萌え、チョウザメの本当の姿を知ってしまうとその長い口先さえもチャームポイントのように思えてきますね。

同じように名前に「鮫」がつくのにサメじゃない魚がいるのをご存知ですか?水族館で見ることのできるコバンザメも実はサメの仲間ではではありません。

コバンザメは私たちにも馴染みのあるスズキ目に属する魚、あの美味しいスズキの仲間なんですよ。いやぁ、魚の世界はなかなか奥が深いです。

チョウザメが高級とされるのは卵だけじゃない!

古代魚として遠い昔から存在していたチョウザメ。

古代ローマ時代には「ロイヤルフィッシュ」として、中国では「煌魚(エンペラーフィッシュ)」と呼ばれ、王様や皇帝に献上された歴史があります。

チョウザメはキャビアとされる卵以外にも身やヒレ・骨・皮・内臓まですべて食べることができる魚です。刺身はフグのような歯ごたえがありとても美味しいんだとか。昔はフカヒレにチョウザメが使われていたこともあったそうです。

コラーゲンとたんぱく質がたっぷりなので美容効果が抜群、女性にはうれしい食材ですね。

「キャビア」「コラーゲン」「美容」そして「高級食材」…この単語を並べられただけで、なんだかうっとりしてしまいます。

知っているとカッコいいかも!キャビアの種類とランク

キャビアはチョウザメの種類や産地によって価値が変わります。一般的にはロシアのカスピ海産で、大粒のキャビアが高級とされています。

そしてキャビアはラベルの色でランク付けされています。その違いをご説明します。

キャビアの中で「ベルーガ」とよばれるものは超高級品です。ベルーガとはオオチョウザメからとれるキャビアのこと。もっとも大きなチョウザメからとれるので、卵の粒も大粒。青いラベルで販売されています。

黄色いラベルの「オショートル(オシェトラなど)」と呼ばれるのはロシアチョウザメの卵です。ベルーガよりも小粒ですがプチプチとした食感とまったりとしたコクを好んで食べる人が多いようです。

赤いラベルの「セブルーガ」はホシロチョウザメのことをいいます。3種類の中ではもっとも小粒のキャビアです。濃厚で独特の風味がありカナッペなどに使われます。

3つの種類、覚えることができましたか?グルメ番組でキャビアが登場したらどの種類が出てきたのかチェックしてみてくださいね。

【おまけ】予算がなくても気分は味わえる!キャビアの代用品

ランプフィッシュという魚を知っていますか?実はこの魚の卵がキャビアの代用品として販売されています。

そういえば20代の頃ちょっと背伸びをしてキャビアを食べてみたくなり、見つけたのがこの代用品ランプフィッシュキャビアでした。

リカーショップなどにも置いていますし手軽に購入できるのでホームパーティーや宅飲みをされる方は話のネタに試してみてはいかかでしょう。料理の見た目もぱっと華やかになりますし、いつもと違った雰囲気が味わえますよ。

まとめ

なんだか美味しいものを食べに行きたくなってきました。知識を得ると敷居が高くなりがちな「高級食材」も少し身近な存在になりますね。

まとめてみると、

1. 不思議な見た目のチョウザメ。実はサメの仲間ではなかった!

2. チョウザメの魅力は卵のキャビアだけではない。古くから高級魚として親しまれていた。

3. キャビアのランクは3種類。青いラベルが最も高級品。

今年の結婚記念日には美味しいキャビアが食べられる素敵なお店でお祝いしたいなと目論む筆者なのでした。

-料理, 雑学・豆知識

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

カニとクモは同じ仲間?なぜそう言われているのか?

そういえば昔、友人が「カニとクモって仲間なんだよ」と言っていた気がします。 その時は、そんなわけないじゃん!と思ったものの、そんな話を聞いてしまったら、「カニ」を見る度に「クモ」を思い出してしまってち …

「フナ」と「金魚」って同じ?金魚が成長したらフナになるの?

「金魚」と言えば、ほとんどの人が1度は飼ったことがあるペットではないでしょうか? ペットとしてはもちろんのこと、最近ではアートアクアリム等、アートの1つとして展示され、入場するのに何時間も待たなければ …

聞いてびっくり!ホタテには目があったって本当?

ホタテに目があることはみなさんご存知ですか? ホタテに目があったとしたら…どこについているのか想像してみてください。 殻にはきっとついていない。ぱっと見た感じ、あの立派な貝柱にもついている様子はありま …

しじみは川でとれる?しじみの基本知識と砂抜き方法を解説

ご家庭でよく食べられる貝のひとつに「しじみ」が挙げられます。全国で一年中とられることもあり、馴染み深いですよね。 小さな体に栄養分がいっぱい詰まっている「しじみ」について、あなたはどんなことを知ってい …

昆布に賞味期限ってあるの?白い粉がついているけど大丈夫?

いただいた立派な昆布、高級そうでなかなか使えない。開封してみたけれど使っているうちに気が付いたら賞味期限が……なんてことありませんか? 実は筆者もいつからあったのかわからないような昆布が棚の奥からでて …