お魚好きの方、特に釣りが好きだったり興味がある方なら一度は耳にしたことがある「ブラックバス」。
特定外来生物として有名ですが、ブラックバス自体がどういう魚なのかを知る機会は、意外にないかもしれません。
ここでは、そんな不遇な?ブラックバスに対して少しでも親しみを持っていただけるよう、生態や特徴、そしてもちろんお味について、ご紹介していきます!
ブラックバスの生態
「ブラックバス」とはスズキ目サンフィッシュ科の淡水魚で、オオクチバス属の魚、8種類の総称のことです。
ブラックバスというのはひとつの魚の名前ではなかったのですね!
8種類をまとめてそう呼んでいるため、大きさは色々。
大人のブラックバスでも、小さいもので40cm程度、大きいものだと80cmほどにまでなるものも!
ブラックバスは元々、北米大陸に分布していました。淡水魚ですが汽水域でも生息することができます。
活動するのは日中で、肉食性のため魚や虫、カエルなどをエサとしています。
産卵期は春~夏にかけてで、水底の砂利の部分をすり鉢状にして卵を産みます。
ブラックバスの気になる寿命と成長速度は
もちろん環境によるのですが、平均して10年〜15年ほどだとされます。
性成熟までは2~5年ほど、そのあと5~10年ほど生きると言われているブラックバス。
生後1年ほどで10cm程度、生後2~3年で20cm台にまで成長します。
その後、成長スピードが少し落ち着き、1年で3~5cm程度の成長になっていきます。
他の動物と同じく、歳を重ねるごとにスピードは緩やかになって、50cmを超えると体高が広がっていくようになる…と言われています。
50cmのブラックバスなら10年ほど生きているということになるでしょうか。
ブラックバスにとっていい環境、例えば琵琶湖などでは、まだ見つかっていない、もっと大きな個体がいるかもしれませんね。
どうしてブラックバスが増えすぎたの?
元は北米大陸にいたブラックバスですが、今や全国47都道府県で生息が確認されています。なぜそんなことになったのでしょうか。
はじまりは1925年、アメリカから輸入されたブラックバス(オオクチバス)が、神奈川県の芦ノ湖に放流されたことからでした。
1964年になってもブラックバスが生息しているのは5県だけでしたが、70年代にルアーを使用した釣りがブームになり、それに乗るようにしてブラックバスの生息域も爆発的に広がりました。
そして90年代に入ると、長野県の野尻湖で「コクチバス」が確認されます。
92年には移植放流が制限されましたが、違法放流はますますエスカレート、コクチバスはどんどん増えていき…今のようになってしまったのです。
食べると「臭い」と言われるけれど…
ブラックバスはスズキの仲間ですから、味は悪くないはずですよね。
実際に、アメリカなどでは食用とされることも。日本ではあまり馴染みがないのは、他にもたくさんおいしい魚がいること、淡水魚のため、生息している場所によっては臭いがきつかったりする…ということが関係しています。
ブラックバス自体のイメージがあまりよくないのもあるかもしれませんね。
これを取り除くだけでかなり違いますが、しばらく綺麗な水に入れておいたり、ハーブや牛乳を使った下処理でさらに食べやすくなります。
また、淡水魚ですから野生のものは寄生虫の危険があります。食べる際は、必ずよく加熱することを忘れずに!
ブラックバスを食べられるお店がある!?
そんなブラックバスですが、なんと、とっても美味しいブラックバス料理を食べられるレストランがあるのです。裏メニュー?期間限定?いえいえ、れっきとしたレギュラーメニューですよ。
滋賀県立琵琶湖博物館内にあるレストラン「にほのうみ」で食べられるのは、ブラックバスをつかった「天丼」です。
名前もズバリ「バス天丼」と紹介されているこのメニュー。
琵琶湖でのびのびと育ったブラックバスと、オリジナルのハーブソルトを使った独自の調理法で、ブラックバスとは思えない!?驚きのおいしさになるのだとか。
ちなみに「にほのうみ」では、天丼だけでなく、ブラックバスの天ぷらを使った天ぷらうどんやそばも選べます。
なまず料理も手がけているので、気になる方はぜひ行ってみては?
まとめ
2. 何でも食べる獰猛な肉食魚。20cmほどになるまではあっという間!
3. 最初の放流は1925年。90年代から放流が規制されるも、違法放流で増えてしまった
4. スズキの仲間なので身そのものはおいしい。皮と脂肪の臭いがきつい
5. 琵琶湖博物館のレストランでブラックバスの天ぷらが食べられる!
元々は隔離された湖に放流されたのに、人間の手によって今や全国に分布し、法律によって特定外来生物に指定されてしまったブラックバス。
悪者扱いするような声を耳にすることもありますが、本当は、たくましくて興味深い魚なのです。
適切に処理をすればとてもおいしいので、機会があればぜひ食べてみてください。
下処理が面倒だという方は、琵琶湖博物館へGO!