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サワラって出世魚なの?サワラの生態から美味しい食べ方まで!

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「出世魚」って聞いたことはありますか?「しゅっせうお」と読み、成長と共に名前が変わっていく魚のことを言います。

なぜ「出世魚」というのかその由来は諸説あるのですが、成長するにしたがって大きさや外見、生息域や生態が変化するので、それを区別する為と言われています。

「出世魚」の言葉の由来としては、江戸時代にまでさかのぼります。「元服」って言葉を耳にしたことがあるかと思いますが、江戸時代までは、学者や武士は元服した時や出世した時に名前を変える慣習がありました。

よく教科書などで幼名は○○とか聞きますよね。
その慣習になぞらえて「成長によってまるで出世していくように名前が変わる魚」を出世魚と呼ぶようになったと言われています。

出世=良いこと=縁起が良いと考えられて、お祝いの料理等で好んで使われます。地方によってはお雑煮に出世魚を使ったりしている地域もありますよね。
ちなみに私は、ブリくらいしか出世魚は知りませんでした。実はみなさんが食べているあの魚とあの魚、同じ魚の成長段階の違いかもしれませんよ?

今回は「サワラ」は出世魚なのかどうか、ということも含めてその生態やオススメの調理方法、そして他にどんな出世魚がいるのか、ということについてもご紹介していきたいと思います。

サワラは出世魚?その生態や特徴は?


ちなみにですが、「サワラ」は「出世魚」ではありません。確かに成長するにつれて「サゴシ→ナギ→サワラ」と名前は変化していきますが、名前が変化するだけです。

「出世魚」と呼ばれる魚と、名前は変化するけど「出世魚」ではない魚、その差は何でしょうか。こちらも諸説ありですが、もしかしたらお祝いの席などで使われていた魚とそうではない魚、でしょうか。

そんな「サワラ」は漢字では「鰆」と書き、その名の通り春が旬の魚で、俳句でも春の季語として使われます。これは「サワラ」が5月から6月にかけて産卵のためにたくさん押し寄せてきて大漁になる時期だったことが由来しています。

でも、もともとは細長く、平べったくてお腹が狭い、ということから「狭腹(サワラ)」と呼ばれていた、とも言われています。

そして生息地ですが、北海道南部から東シナ海の日本海側まで、東アジアの亜熱帯地域や温帯地域に分布しています。日本国内だと瀬戸内海が古くから「サワラ」の産地としては有名ですね。

生後1年で40cm強の大きさに成長し、3歳くらいまでには80㎝、最大では全長1m以上、体重は10kgを越えたものまでいるような非常に大きな魚です。

気になるお味ですが、肉質は柔らかくクセもないので食べやすく調理しやすい魚です。中でも冬に獲れる「寒鰆」は脂がよく乗っていて高級魚として扱われています。

サワラの美味しい食べ方、オススメレシピ!

では、「サワラ」の美味しい食べ方やオススメレシピをご紹介しましょう。淡泊でクセがないので、新鮮なものはお刺身でも楽しむことができます。でもあまりスーパーでは、お刺身は見かけませんよね。目にするものはほとんど切り身になっているものです。

大きいものは1m以上になる魚ですから、1匹丸々で売っても買ってくれる人は少なそうです。でも、切り身になっているからこそレシピさえ知っておけば、手軽に料理ができる食材です。焼きでも、蒸しでも煮物でもいけちゃいますよ!

焼きであれば、定番の照り焼きから塩焼き、山椒焼き、カレー焼き等バリエーションは豊富です。個人的なオススメとしては「サワラのから揚げ 野菜あんかけ」や「サワラの香味蒸し」などでしょうか。

肉厚でむっちりした「サワラ」と野菜を組み合わせた料理は、簡単なのにちょっと手が込んでいる風に見えるので、「お!やるな!」と思われたい人にはおススメです。

「サワラ」のから揚げ 野菜あんかけ
1. 「サワラ」のを一口大に切って軽く塩コショウしておく
2. 片栗粉をまぶしてからっと揚げる
3. お好きな野菜をなるべく細く切って炒めた後に、片栗粉でとろみをつける。味付けは中華風でも和風でもなんでもいけちゃいます。
4. 3 で作ったあんを「サワラ」にかける
「サワラ」の香味蒸し
1. キャベツやネギ等お好みの野菜を耐熱皿に敷く
2. 1 の野菜の上に「サワラ」の切り身を乗せて軽く酒をふりかける
3. ラップをしてレンジでチン
4. レンジで加熱している間に、フライパンでごま油を熱しておく
5. 火が通った「サワラ」の上に白髪ねぎをのせて、熱したごま油をジュとまわしかける

出世魚はどんな魚がいるの?


出世魚の代表格として挙げられることが多いのが「ブリ」ですが、他に出世魚はどんなものがあるのでしょうか?

実は、「ブリ」「スズキ」「ボラ」「コノシロ」この4種類だけです。

サワラの他にカンパチやマイワシを出世魚にカウントする場合もあるようですが、今回はこの4つの呼び名についてご紹介します。

ブリ:関東では、ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ 関西では、ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ

スズキ:関東では、セイゴ→フッコ→スズキ 関西では、セイゴ→ハネ→スズキ

ボラ:関東では、オボコ→イナッコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド 関西では、ハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド
え?トド?

コノシロ:コハダ→ナカズミ→コノシロ
コハダは寿司ネタで聞いたことがありますね!

いかがでしたでしょうか?ブリとイナダって一緒だったの?とかコハダってコノシロの小さい時だったの?とかびっくりしたかもしれません。

こういった豆知識を持っていると、きっといつものお魚売り場の風景がちょっと変わって見えるかもしれませんよ!お魚売り場に行くのが楽しみですね!

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