日本で古くから愛されてきた淡水魚「ナマズ」。ちょっと気の抜けたような?可愛いお顔を愛でるだけでなく、貴重な食材として大切にされてきました。
そして気になるのが「地震を予知できる」という言い伝え。本当なのでしょうか?
その1「ナマズの生態」
ナマズ目ナマズ科に分類されるものは約100種類ほど。
中でもマナマズは日本だけでなく、東アジアに広く生息しています。
夜行性であるナマズは、昼間は河川や池、沼の底で物陰に潜んでいます。特徴的な口ひげを使ってエサを探し、小魚から甲殻類、虫やカエル、亀まで!何でも食べてしまいます。
そして、有名なのが「全身に味覚がある」ということ。好き嫌いはあまりしないようですが…美食家なのでしょうか?
ちなみに「ナマズ」という名前の由来を聞いたことはありますか?
その2「寿命はどのくらい?」
ナマズの一生を辿っていくと、
↓
2~3年で性成熟を迎える
↓
そこから更に10年ほど生きる
野生のナマズでも性成熟を迎えてから10年ほどは生きるため、寿命はだいたい15年程度だと言われています。
ですが飼育下など、エサも豊富で環境がいい場合は、更に長生きします。
ナマズは、在来種では珍しい「大型魚」。体が大きいほど寿命も長いですから、軽い気持ちで飼育をはじめたら、想像以上に大きくなって、しかもまだまだ元気…なんてことはざらにあります。
可愛いお顔に誘われて?飼育に興味が出てきたら、ナマズについてしっかりと調べて、よく検討してから決めましょう。
その3「どんなナマズ料理があるの?」
ナマズは古くから食材としても愛されてきました。平安時代末期の文献にも記述があるほど。
調理法も様々で、汁物(鍋、味噌汁など)や天ぷら、煮付け、蒲焼、養殖のナマズならお刺身でも食べられます。生だとピンクがかっていてとても綺麗!
蒲焼といえばウナギのイメージですが、2014年にニホンウナギが絶滅危惧種に指定されています。
そんな中近畿大学で開発されたのが「近大ナマズ」。約6年かけて開発された近大ナマズは、従来のナマズよりもウナギの味に近いのだとか。
そしてなんと、かまぼこの元になったものにはナマズが使われていました。
ナマズのすり身を竹に「ガマの穂」のように巻き付けて、焼いたものがかまぼこの元祖。今でいう「ちくわ」が、元々はかまぼこだとされていたんですね。
その4「気になるお味は…」
色々な調理法で食べられてきたナマズですが、肝心のお味はどのようなものなのでしょうか。
生だと少しピンクがかった白身で、淡水魚にしては脂が乗っている、コクがある、上品な味わい…などと言われます。
お刺身や洗いだとプリッとした歯ざわり。フグに似た食感だという声もあります。
唐揚げや天ぷらだと、厚みのある白身がふっくら仕上がります。
汁物だと出汁がよく出てコクのある味わいに。身はとろとろになり、口に入れれば溶けてしまうほど。
皮は少し癖があるので、好き嫌いが分かれるかもしれません。
その5「地震との関係は?」
「ナマズは地震の予知ができる」という話を聞いたことはありませんか?大きな地震の直前、ナマズが暴れたり、普通と違う動きをするというものです。
まだ科学的にはっきりと証明されたわけではないものの、あながち嘘とは言い切れません。
なぜなら、今までの様々な研究で、ナマズは電気に敏感だという結果が出ているのです。
ナマズの体の表面には電気受容器があり、エサとなる生物が発する、微弱な電気を感じ取っています。そしてそれを元にエサの位置を割り出して、ヒゲで確認、捕食します。
そして、地震発生の直前には「地電流」が発生することがわかっています。
ナマズはこの地電流を感じ取って、異常な行動をとるのではないかと言われているのです。
その6「大鯰伝説」
昔の日本では、地震を起こすのは日本列島の下に横たわる龍、または日本を取り囲む地震虫だと言われていました。
しかし江戸時代からは、地下に棲んでいる「大鯰」が体を震わせることで地震が起きる…という言い伝えが主流になりました。
そして、茨城県の鹿島神宮で祀られる「タケミカヅチ」と、千葉県の香取神宮で祀られる「フツヌシノカミ」の二柱が、要石を使って、それぞれ大鯰の頭と尾を押さえつけることで地震を鎮めていると言われているのです。
地震の予知だけでなく、原因とされることもあるナマズ。ナマズと地震の関係は、切っても切れないものなのかもしれません。
まとめ
2. 自然界でも15年ほど生きる長生きな魚。飼育下では更に生きる
3. 天ぷら、煮付け、蒲焼などにして食べられる。蒲鉾の元祖にも使われていた
4. 身は白身で程よい脂の乗り。上品な味わい
5. ナマズは電気を感じることができるため、地震の予知もできるかもしれない…!?
6. 地下に棲む大鯰が地震を引き起こしているという言い伝えもある
日本で昔から愛されていただけあって、料理に言い伝え、また、ことわざなどにもよく登場するナマズ。その魅力をお伝えすることはできたでしょうか。
今でもナマズ料理が食べられるお店はありますから、機会があればチャレンジしてみてはいかがでしょうか!