沖縄名物のひとつである「海ぶどう」を食べたことはありますか?沖縄料理のお店でも人気の高い定番メニューです。
ここでは、海ぶどうの歴史や食べ方についてご紹介していきます。
海ぶどうって何?
普段、「海ぶどう」や「グリーンキャビア」とよばれているアレ、正式名称は「クビレズタ」という海藻です。
プチプチとした小さな実のような部分がぶどうに似ているため「海ぶどう」と呼ばれるようになりました。また、緑色で半透明なのがキャビアにも似て見えますね。「グリーンキャビア」の由来です。
天然の海ぶどうは沖縄周辺の海でとれますが、一般的には養殖のものがほとんどで、沖縄県や鹿児島県の養殖所で大切に育てられています。手作業で摘み取られた養殖の海ぶどうは、そこから数日海水につけられてから出荷されていきます。
ちなみに天然物の場合、旬は水温が25℃前後になる春と秋だと言われています。
海ぶどうってどんな味?栄養価は?
海ぶどうはそのぷちぷちとした食感を楽しむもので、味に関して言及されることはあまりありませんね。
とはいえ、全くの無味というわけではありません。噛むとほのかに塩味と磯の香りが広がります。口の中が海になったようなイメージ!?
特徴的な味がないからこそ、色々な食べ物と組み合わせることができるのですね。
また、海ぶどうには、マグネシウムやカリウム、カルシウムなどのミネラル分が多く含まれています。その他にもフコイダンやビタミン、鉄分、アミノ酸、食物繊維といった栄養素があり、しかも海藻なのでローカロリー!
美容の味方と言っても過言ではありません。
海ぶどうの歴史
昔から、沖縄県宮古島では天然の海ぶどうが食べられていました。
広く知られ沖縄料理の定番とされるようになったのは、養殖の技術が確立したおかげなのです。
元々、日照時間や天候、水温、その他の色々な条件に左右されやすいデリケートな海藻である海ぶどう。その養殖を国内で初めて成功させたのは、沖縄県の恩納村でした。
1989年、恩納村での海ぶどうの養殖試験がはじまり、その後短期間でおいしい海ぶどうを育てる技術が開発されました。
1994年には漁協で海ぶどう生産部会が組織化され、生産体制がしっかりと整えられました。その後2006年に、沖縄県認定の海ぶどうの拠点産地となっています。
今は恩納村だけでなく、沖縄県各地(と鹿児島県)で海ぶどうの養殖が行われています。
収穫体験ができる養殖所もあるので、気になる方は行ってみては?
海ぶどう狩りの後は、新鮮な海ぶどうを食べられたり、持ち帰ることができるようですよ!
どうやって食べる?食べ方色々
海ぶどうの「食べ方」にも実は色々あることをご存知でしょうか。
いくつかご紹介しますが、どれもぷちぷちの食感を楽しむのにもってこいの食べ方です!
定番なのは、生の海ぶどうを、三杯酢や醤油、ポン酢、酢味噌などにつけていただくというもの。
実のような部分のぷちぷちと弾ける食感や磯の香り、ほのかな塩味が楽しめる食べ方です。
ご自宅で食べる際は海ぶどうをしっかり洗って、汚れなどを落としてからにしましょう。長く水に浸けているとぷちぷち感がなくなってしまうので注意です。
また、各種タレも、上からかけてしまうとぷちぷちがしぼんでしまうので、お刺身のように食べるときにつけるようにすると◎。
そして海ぶどうは、ご飯と一緒に食べてもおいしいのです。海ぶどう丼として、または海鮮丼に、ツマのように海ぶどうを乗せてどうぞ。食感とほんのり塩味がいいアクセントになります。
とろろや納豆といった、ネバネバの食べ物と一緒に食べるのもおすすめです!
更に、沖縄県では海ぶどうを「天ぷら」にして食べるのが人気なんだとか。サクサクの衣とぷちぷちの海ぶどう、ご飯やお酒が進みそうですね!
ゲノムが解読された!?
2019年3月、沖縄科学技術大学院大学(OIST)が、海ぶどうの全ゲノムの解読に成功しました。
巨大な単細胞生物である海ぶどう。今まで、多細胞生物の植物や他の海藻の栽培方法を取り入れても、海ぶどうの生育に関する問題が解決されず、養殖業者の方々が頭を抱えることもあったのだとか。
ですが全ゲノムという遺伝情報がまとめて解析されたことで、今後、生育に問題が起きたとき、それを解消できるようになります。加えて、例えばより大粒の海ぶどうなどの新品種が生まれるかも!?
これからますますおいしい海ぶどうが食べられるようになるかも!?ということですね。
まとめ
2. 海ぶどうは、ほんのり塩味と磯の香り。色々な栄養素が含まれていてローカロリーな美容の味方!
3. 海ぶどう養殖発祥の地は沖縄県恩納村!
4. 生でそのまま、丼ぶりや、なんと天ぷらも!色々な食べ方ができる
5. 2019年3月に沖縄科学技術大学院大学が全ゲノムの解読に成功!
やはり気になるのはゲノムの解読成功!これからどんどん海ぶどうの秘密が明かされていくのではないでしょうか。
もちろん、食べ物としてもその食感で様々な料理にアクセントを加えてくれます。手に入った際はぜひ色々な食べ方を試してみてくださいね!