おでんに漬物、おにぎりや佃煮、そしてもちろんお出汁にも!昔から日本食には欠かすことのできない「昆布」には色々種類がありますが、どれも切り口がヌルヌル、ネバネバしますよね。その正体…気になりませんか?
昆布はいつから食べられていたの?
はるか昔から親しまれてきた昆布ですが、実はその歴史はとても古く、正確に辿ることができないほど。
あの昆布がそんなに長く愛されていたなんて驚きですよね。
一説では、縄文時代末期に船の上で暮らしながら日本に来た人たちに食べられていたのでは、と言われています。
「昆布」という名前の由来もはっきりとわかってはいませんが、
・アイヌ語の「コンプ」「クンプ」が由来
・中国語の「綸布」が変化した
などの説があります。
昆布の種類
食用とされている昆布のほとんどが北国、特に北海道近辺に生息しています。
有名なものだと、
・オニコンブ(羅臼昆布)・・・こちらも高級品とされ、濃い出汁がとれる。関東で人気
・リシリコンブ・・・素材の色や味を邪魔しない出汁がとれる。京都では一般的
・ホソメコンブ・・・おぼろ昆布やとろろ昆布に加工される
・ミツイシコンブ(日高昆布)・・・柔らかく、昆布巻きや佃煮向き
などがあります。
昆布と一口に言っても意外に種類があります。出汁の利き比べをしても面白いかもしれませんね!
不思議なネバネバの正体とは?
さて、昆布やその他の海藻に見られるネバネバですが、その正体は一体何なのでしょうか?
これらは昆布を長く水に浸けておくと溶け出し、それが「ネバネバ」となります。
ネバネバは味方!うれしい効果
ネバネバしている食べ物は体に良いとはよく聞きますが、では具体的に何が、どのように体にいいのか… いまいちよくわからないですよね。
まずは「アルギン酸」、こちらは高血圧のひとつの要因である、塩分の排出を助ける効果があります。アルギン酸は胃ではほぼ消化されずに腸まで届き、そこで塩分(ナトリウム)と結合し排泄されます。つまり、高血圧の予防に一役買ってくれるというわけなのです。
そして、食物繊維なので血糖値の上昇も緩やかにしてくれる効果もあります。昆布を含めた海藻類は低カロリーなので、ダイエット効果も期待できますね。
そして実は、「アルギン酸」から作られた糸が存在します!溶けやすいので服などには使われませんが、その性質を利用して、外科手術の糸などに使われています。その他にもアルギン酸は、食品添加物や工業、先述した医療にも、様々な形で使われています。
また、「フコイダン」はまだまだ研究途中ですが、血中コレステロールの減少や抗酸化作用、抗アレルギー作用などが実験により確認されています。
ネバネバでは負けない!がごめ昆布
「がごめ昆布」ご存知ですか? 北海道の道南地方、特に函館周辺でとれる、表面のデコボコが特徴的な昆布のことです。このがごめ昆布、他の昆布とは比べ物にならないほどのネバネバが出るのです!
細切りにしたものは特に、めかぶかと思うほどの粘りが出ます。納豆などに混ぜてご飯のお供にも!
超簡単! 寝ている間に昆布だし
昆布だしって、一からとったほうが美味しいのはわかっているのに、面倒くさくはないですか?こだわりたい気持ちはあるけれど、そんな時間もあまりないし…。そんな方におすすめしたいのが、「水出し」の昆布だしです!
出汁のとり方はとっても簡単!蓋のついた容器に水をはかり、その1%~2%の昆布を入れます。あとは一晩置いておくだけ!取り出した昆布はお料理に使えます。
できた昆布だしは冷蔵保存で1週間以内をめどに、できるだけ早く使い切りましょう。すっきりした出汁がとれるので、スープなどにおすすめです!
まとめ
さて、昆布についてまとめるとこうなりました。
2. 昆布の種類によってとれる出汁もかなり違う!
3. ネバネバの正体はアルギン酸とフコイダン。高血圧予防などに良さそう
4. 昆布の種類で一番ネバネバなのは「がごめ昆布」
5. 昆布だしはかなり手軽なとり方もある!
料理の主役になることはそう多くない昆布ですが、こんなに秘められた力がありました。
お出汁も簡単にとることができますし、何より昆布は縁起物!体にもいいので、ぜひ食事メニューに追加してみてください!