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回転寿司で人気の寿司ネタ、実は「代用魚」!? サーモンやハマチ、エンガワも?

投稿日:2019年1月6日 更新日:


「お寿司」と聞けばご馳走のイメージがありますが、回転寿司店が全国にできたおかげでかなり気軽に食べられるものになっていますよね。
100円寿司も今や珍しくはありませんが、その安さの影で活躍している「代用魚」のこと、ご存知ですか?

今回は、大衆魚にも見劣りしない美味しさの代用魚たちをご紹介します!

知っていれば、運良くお店で見かけた時にも味の想像がしやすいかも!?

代用魚って何?どういうこと?

代用魚とは、昔から食べられてきた大衆魚の代わりとして食べられる魚のことを言います。「偽装魚」「代替魚」と呼ばれることもあり、元の大衆魚よりも安価で、味や食感が似ていることが特徴です。

見た目が違ったり名前が知られていなかったりで、昔はそのままの姿で売られることは少なかったようですが、最近、増えてきています。また、加工品にもよく使われています。

よくないイメージと共に語られることも少なくない「代用魚」ですが、その実力は充分。特に安くて美味しい回転寿司で大活躍しています。

人気の鉄板ネタ!「サーモン」

回転寿司でも老若男女に好まれる寿司ネタ「サーモン」。この代用魚として知られるのが「ニジマス」です。

ニジマスは40cm~120cmほどまでと様々な大きさになり、小さいものは一生淡水で、大きいものは海へと下ります。国内では養殖が盛んで、淡水・海水どちらでも行われています。海水で養殖されたものは「サーモントラウト」または「トラウトサーモン」とも呼ばれます。これは耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか?

脂の乗った「ハマチ」

適度に脂が乗って美味しいハマチの代用魚とされているのは、「シイラ」です。ハワイでは「マヒマヒ」とも呼ばれ、高級魚とされるほど美味しい魚なのです。体長は2mほどにまで成長する大型魚で、シイラ専門に漁獲もされています。代用魚としてだけでなく、シイラとしてお店に並ぶこともあります。

最近はハワイからマヒマヒ料理が入ってきているため、需要は高まっているようです!

大人好みの「エンガワ」

ほんのりした甘さと歯ごたえが美味しいエンガワは、「オヒョウ」と呼ばれる超巨大なカレイの仲間が使われています。

姿は殆どカレイなのに、その大きさは3mを超えることも!長寿なので、ゆっくりと大きく成長するのですね。ちなみに、肉食なためか獰猛で、釣り上げた時に暴れることもあります。ちょっと怖いですね。

北海道などでは代用魚としてではなく、オヒョウとして出回っています。イギリス料理で有名な、フィッシュアンドチップスに使われることも!

歯ごたえがたまらない!「アワビ」

しっかりした歯ごたえがクセになるアワビの代用として、「ロコ貝」が挙げられます。
ロコ貝は「チリアワビ(2003年からは使われていません)」や「アワビモドキ」といった別名もあるほど、アワビの価格高騰の影で活躍していました。

実はアワビとは違い、ロコ貝は巻貝の仲間。ですが平たいため、蓋を取ってしまえばアワビとそっくりな見た目になります。
最近、乱獲によって数が減少してきているといわれます。代用魚の代用魚、なんてことにならないといいのですが…。

お寿司といえば!「マグロ」

マグロの代用魚の中で代表的なのが「アカマンボウ」です。

全長2mほどにまで成長する、丸くて平たい形をした魚で、その姿はたしかにマンボウに似て見えます。しかし、マンボウよりもむしろ、リュウグウノツカイなどに近い深海魚なのです!

水平に発達した胸ビレの奥に赤身が隠れており、味や食感がマグロによく似ています。アカマンボウ専門に漁獲されることはありませんが、マグロに混じって獲れることがあります。

味だけでなく、漁獲されるときもマグロと一緒なんてちょっと不思議ですよね?

こちらの方が馴染み深いかも?生活に浸透した代用魚

基本的に代用魚、というのは知名度が低いものが多いのですが、その味や流通量の差から、代用魚の方がメインになってしまったものもあります。

たとえば「シシャモ」は、「キャペリン」または「カラフトシシャモ」と呼ばれる魚がすっかり成り代わり、シシャモは「本シシャモ」と呼ばれるようになりました。姿もよく似ており味もいいので、食卓に並ぶこともあるのではないでしょうか。今や本シシャモを食べたことがある人の方が少ないのでは、ともいわれています。

また、同じように代用魚とされてきた種類がすっかり人気になった例として、「ブラックタイガー」が挙げられます。

古くから高級食材とされてきたクルマエビの代わりにブラックタイガーが流通するようになりました。しかし、最近は更に安価な「バナメイエビ」もありますよね。この2種類のエビを口にする機会は少なくないですが、クルマエビはどうでしょうか。
ちなみに私は、クルマエビを食べたことがありません…。

まとめ

さて、回転寿司の人気ネタの代用魚をいくつかご紹介しましたが、まとめると

1. 大衆魚の価格高騰などにより、味が似ていて安価な代用魚が使われるようになった

2. 代用魚は知名度が低いものがほとんど

3. 色々な条件が重なって代用魚の方が親しまれている例もある

もちろん、全てのお店で代用魚が使われているという訳ではありませんが、きっとあなたも口にしたことがあるはず…!?

味は大衆魚にも劣らないのに、知名度が低いというだけで代用魚や「偽装魚」などと呼ばれて、マイナスイメージが付いてしまうのはもったいないような気がしませんか?

もしここでご紹介した代用魚たちがお店に並んでいるのを見つけたら、ぜひ食卓に並べてみてくださいね!

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