魚介類で満点生活

水産物を中心にしたまとめサイト。~雑学・豆知識から水族館まで~

料理 雑学・豆知識

天ぷらが人気の「キス」ってどんな魚なの?特徴や旬をご紹介

投稿日:2019年3月2日 更新日:

江戸前の天ぷらにはかかせない「キス」。

あっさりとした癖のない味わいが人気ですが、どんな魚なのか…知っていますか?

いつもはなんとなく食べている、「キス」の特徴や名前の由来、旬を知ればもっとおいしく感じるはず!?後半では新鮮なキスの選び方もご紹介します。

キスってどんな魚?特徴は?

キスは、スズキ目スズキ亜目キス科の魚です。実はキスにもいくつか種類があり、ホシギスやアオギス、モトギスなどがいますが、食用として多く流通しているのは「シロギス」という種類です。

キス科のほとんどは河口や海岸の近くの砂底で、ゴカイなどを食べて生活していますが、稚魚のときは汽水域で成長したり、淡水で生きるようになる種類もいることがわかっています。

また、キス科の魚は、全長20~40cmほどまでに大きく成長しますが、体形は非常にスリム。そして色彩ですが、やや透き通った白銀の美しい姿をしています。この姿が淡水魚のアユにも似ているため、「海のアユ」という異名も。口先は細く尖っており、砂の中に潜んだエサを探すのに役立ちます。キスを迫っているようにも見えるかも…!?

キス科の魚はシロギス以外でも食用にされることも多く、釣りのターゲットとしても人気があります。私も釣りをしたことがありますが、友達ばかりが釣れていてガッカリしました。今となっては良い思い出です。

「キス」名前の由来

ちょっとどきっとする!?名前のキス、その由来はどんなものなのでしょうか。

キスというのは元々「きすご」と呼ばれていた魚で、「生直(きす、きすぐ)」に、魚を表す「ご」をつけたものだという説があります。

生直というのは真っ直ぐ、素直な性質を表す言葉で、「ご」というのはアナゴやタナゴなどと同じですよね。そのきすごの「ご」が省略されて、キスと呼ばれるようになったとか。

他には、岸にいることが多いため「きしこ」と呼ばれていたのがが訛り、「きすこ」→「キス」になったという説も。

「鱚」という漢字はあとから当てられたもので、「き」と読める漢字の中からおめでたい意味の字を選んだと言われています。

また、キスの別名として「海の女王」「海の貴婦人」「海のアユ」などと呼ばれることがありますが、どれもそのほっそりとして透き通った、美しい姿からつけられたものだと思われるものばかり。素敵ですよね!

キスの旬はいつ?

さて、美しいだけではなく味もピカイチのキス、その旬はいつなのでしょうか?

実はキスは、一年を通して味があまり変わらないと言われます。ですので時期よりも、獲れる場所などで味が変わる…と言われることも。

ですが、特に脂が乗って美味しいのはやはり、産卵を控えた6月~9月ころにかけてです。その時期は砂浜などの浅い場所にくるため、釣りでも狙いやすいとか。

お店で選ぶときはどこを見ればいい?

ここまでキスについてご紹介しましたが、実際にキスの調理に挑戦してみませんか?外食店で、料理されたあとの姿しか見たことがない…という方も、もちろん、普段から魚料理をしている方も!新鮮なキスの選び方を覚えて、いいお買い物をしちゃいましょう!

・目が黒く、全体が澄んでいて、ぶよぶよしていないもの

・体にまだ透明感が残っている(白っぽくなっているものはもう古いかも…)

・体に赤みがあるもの

・うろこが揃っていて、白銀色に輝いているもの

・体の側面にはしる線がはっきり見えるもの

こちらが新鮮なキスの特徴です。お店で鮮魚を選ぶときは、ぜひ参考にしてみてくださいね。

天ぷらだけじゃない。おいしい食べ方

キスといえば天ぷらですが、実は他にもたくさん、おいしい食べ方があります。

新鮮なものはお刺身がおいしいです。水っぽく感じる場合は塩で洗ってから刺身にすると身が締まって、また歯ざわりが変わります。昆布締めにしても◎!

もちろん塩焼きも絶品です。癖のない身の味わいと、皮目の香りが合わさってなんとも言えないおいしさ!

また、三枚におろして残った骨は、揚げて骨せんべいにできます。余すことなく楽しめる魚ですね!

まとめ

「キス」についてのまとめはこちら!

1. キスにも色々いるがよく流通しているのはシロギス。ほっそりして透き通った姿が特徴

2. キスは元々「きすご」と呼ばれていた。そう呼ばれるようになった由来はいくつが説がある

3. キスの旬は6月~9月だが、一年を通してあまり味が変わらない貴重な魚

4. キスを選ぶときは、目が澄んで体が透きとおり、側線がはっきりしているものが◎

5. 天ぷらだけでなく、刺身や昆布締め、塩焼きでもおいしい。骨は骨せんべいに!

海の女王や海の貴婦人などと呼ばれることもあるキス。昔は高級魚とされていて、お祝いごとなどで贈られることもあったとか。今はもう少し入手しやすいですし、通年でおいしく食べられる魚ですから、ぜひ料理にも挑戦してみてくださいね!

私はやっぱりキスと言えば天ぷら一択です。見かけるとついつい注文してしまいます。

-料理, 雑学・豆知識

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

アサリの中身はなんだろな?潜んでいるのは寄生虫や小さいカニ!?

日本では遥か昔から身近な食材だったアサリに寄生する生物がいるのはご存知ですか? ここではアサリの中にいるかもしれない寄生生物についてご紹介します。 知っておけば、もし突然出会ってしまっても必要以上に驚 …

イカの数え方、「1匹」と「1杯」どちらが正しいの?

イカを知らない人ってほとんどいないんじゃないでしょうか?最近ではイカが主役のゲームも流行っていますよね。ちょっと昔にはイカが主役の『侵略!イカ娘』というアニメが放映されていたことも。 イカは世界の海に …

深海魚の不思議!未知の生態と見た目が気持ち悪い理由とは?

突然ですが、皆さん、「深海魚」と言われてどんなものが浮かびますか? 「深海魚」や深海生物って、普段目にする海の生き物や魚と比べてちょっと個性的な見た目のものが多いですよね。 見た目もそうですが、やっぱ …

昆布に賞味期限ってあるの?白い粉がついているけど大丈夫?

いただいた立派な昆布、高級そうでなかなか使えない。開封してみたけれど使っているうちに気が付いたら賞味期限が……なんてことありませんか? 貰い物やお土産として頂いても、実際に使うのは敷居が高い… そんな …

真珠の母!「アコヤ貝」実はお味もなかなか?気になる生態と特徴

「アコヤ貝」という貝についてご存知ですか? 古くは仏教の七宝のひとつとされ、今でも冠婚葬祭で(もちろん普段使いにも!)大活躍する「真珠」を養殖する際、母貝となる貝です。ネックレスやブレスレット、イヤリ …