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「クエを食べたら他の魚は食えん!」幻の高級魚の生態とは

投稿日:2019年4月7日 更新日:

漁師のあいだでもめったに釣れない超高級魚といわれるクエ。

希少な魚で、天然ものになると出会った時が「旬」といわれるほど珍しい魚だそうです。

見た目はちょっとグロテスクなクエですが、脂がのっているのにしつこくなく、フグよりも美味しい魚ともいわれています。

今回は「超」がつくほどの高級魚、クエの生態をご紹介したいと思います。

幻の高級魚、クエってどんな魚?

クエとはスズキ目ハタ科に属する海水魚で水深50~100mあたりに生息しています。天然もののクエは高知県や和歌山県、九州でも水揚げされています。

成魚の体長は60~80cmほどですが大きいものだと1mを超え、重さも30㎏以上になるものも確認されています。成長が遅い魚で2~3kgになるまでに5年ほどの年月が必要とのこと…ということは30kgを超えるクエはいったい何年生きているのでしょうか?

クエの寿命が長い魚で20年ほど生きるといわれています。実はクエは雌性先熟(しせいせんじゅく)といって生まれた時はメスですが、成長につれて性転換してオスになる生き物です。

ある程度成長するまではメスとして子を産み、60cmほどになるとオスに性転換しはじまるのだとか。この為、大型のクエのほとんどがオスだといわれています。

高級魚のクエは食べるものも高級?

高級魚で大型魚といわれるクエは一体何を食べて大きくなっているのでしょうか?

クエは泳ぐのがあまり上手な魚ではありません。岩と岩の間や洞窟などを棲みかにし、エサが豊富な場所を見つけて居座わります。

アジやメジナなどの魚や甲殻類、イカなどを食べるのですが、時にはその大きな口で伊勢海老だって丸飲みしてしまうこともあるんです。高級魚は食べるものも高級志向なんですね。

肉食性のクエですが、大きな体に似合わず臆病で泳ぐのも得意でないため、エサが目の前に来ないと食いつくことはありません。1週間に1度しかエサを食べないという話もあるんですよ。

クエは縁起の良い魚?名前の由来は…

クエは漢字で「垢穢」や「九絵」と書きます。「垢穢」の由来は垢(あか)がついたように穢(けが)れているように見えることからつけられました。

一方「九絵」という漢字は、クエの体の縞模様が生きている間に九回変化するから九枚の絵に見立ててつけられたそうです。こちらのエピソードの方がロマンティックですね。

「食べると九つの夢が叶う」、「運を呼びよせる魚」など縁起の良い魚ともいわれていて、商談がうまくいくなんていう話もあるんですよ。

クエは地方で呼び方変わります。東日本では「モロコ」、愛知県では「マス」とも呼ばれています。

九州地方では「アラ」という名前で親しまれています。毎年11月に行われる相撲の九州場所ではアラのちゃんこ鍋が力士の楽しみなんだとか。

ちゃんこ鍋の「横綱」といわれ、1年の締めくくりにぴったりのごちそうとして振る舞われます。

刺身で鍋で、焼いても揚げても美味しいクエ料理

クエは和歌山の冬の名物料理としても有名です。和歌山県のあらゆるところでクエ料理が味わえます。関西人の私としては、ぜひとも行って楽しんでもらいたい観光地です。

関西人なら一度は行ったことのある、和歌山県・南紀白浜の「とれとれ市場」では、冬の間、入荷時のみですが天然本クエの販売をしています。少し前の話ですが、私もとれとれ市場のイケスに40万円もするクエを見たことがあります。1匹40万円なんて、さすが高級魚ですね!

クエは刺身、鍋だけではなくステーキやから揚げ、ウロコ揚げなどバラエティにとんだメニューが楽しめます。

クエは残すところがないくらいすべて美味しくいただける魚といわれていて、特にクチビルや内臓は珍味中の珍味で最高級のお客様にしか出されないんだそうです。

まとめ

見た目はイマイチですが味は絶品といわれるクエ。出会う機会も少ないため知らないことも多かったのではないでしょうか?

1. クエは長生きする魚。生まれたときは全てメスで大きくなるにつれてオスへと変わる。

2. 高級魚のクエは時に高級食材の伊勢海老をも丸飲みする。

3. クエは縁起の良い魚といわれている

4. クエは残すところのない魚。とくに分厚いクチビルは珍味とされている。

クエ料理は少しハードルが高いですが、一度は食べてみたいものですね。最近では養殖もさかんに行われていてインターネットでも購入できるようになりました。

食べると幸せが訪れるのであれば、ちょっと奮発してクエ料理を堪能するのもアリかもしれません。

でも「クエを食べたら他の魚は食えん!」といわれています。クエの魅力に取り憑かれないようご注意くださいね。

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