台所や洗面所、お風呂場等どの家にも1つはあるであろう、スポンジ。
そのスポンジの構造をよく見てみると、小さな穴がたくさん開いていることがわかります。
ドラッグストアでも用途や種類によって穴の大きさが違ったり、触感が違ったりと様々な種類を見ることができます。
食器用洗剤のCMでもスポンジをくしゅくしゅして~~~というように穴があいていることで泡立ちや泡切れが異なります。
そしてスポンジは穴があるだけではなく、触ると弾力がありますよね。
ぎゅっと握ると小さくなったり、手をはなすとまた膨らんで元の形に戻ったり。
だからこそ、様々な食器や洗いたい場所に合わせて形を変えながら、便利に使うことができるのでしょう。
では、このスポンジの構造はどこから生まれたのでしょうか?
実は、この構造は海の中にいる海綿動物(英語ではそのものズバリspongeスポンジと言います)の構造をヒントに作られました。
海綿動物って何?その特徴は?
そもそも海綿動物って何?
まずはその疑問にお答えしましょう。
海綿動物は海綿動物門に属する動物の総称です。
熱帯を中心とした世界中のあらゆる海に生息していますが、海水だけではなく淡水に生息する種も存在します。
ということは海でも川でも水場にはかなりの高確率で海綿動物がいるってことですね。
形状としては、壺のような形をしているものから平べったいもの等、多数存在していて、想像できないような美しいもの、かわいらしいものまで多岐に渡っています。
同じ種類であっても生息している場所の水質や温度、水の中に含まれる成分構成等、環境によって形状が異なっているものもあります。
大きいものは数ミリのものから大型だと1mを超えるものまであるので、どれが海綿動物でどれが違うんだか、素人にはなかなかわかりませんね。
そして、海綿動物といえばその構造がとても面白いんです。
体には、はっきりとした器官等の分化は見られず、細かい網目状の海綿質の繊維でできています。
その骨格はスポンジとして化粧や入浴用に使われたり、ユニークな見た目から飾りとして活用されたりしています。
ここでスポンジが出てくるんです!
世の中にあるスポンジ全部が海綿動物そのものでできているか、というともちろんそうではなく、あくまで海綿動物の構造からヒントを得て、という所がポイントです。
とはいえ、一部地中海でとれるものは有名で、地中海産の天然スポンジとして売られています。
あと余談ですが、人気アニメの「スポンジ・ボブ」も海綿動物が主役ですよ。
こんなに面白い!海綿動物の仲間たち
では、具体的に海綿動物の種類についてご紹介していきましょう。
個人的にキレイだな、可愛いなと思っています。
名前は見た目そのままで、ピンポン玉が多数集まったような形をしています。
え?これ生き物?と思いますが、れっきとした海綿動物です。
クリスマスの飾りや化学式の構造図のような感じもしますね。
こんな可愛らしい見た目なのに実は肉食です。
うっすら光っている玉の部分に寄って来た小さな生物が玉に触れた瞬間にからめとって補食するそうです。
見た目に反して怖いですね。
○コンドロクラディア・リラ
2012年に3000mの深海で見つかった新しい海綿動物です。
これもなんと肉食です。
複数に枝分かれした根のようなものが放射状に広がっているので、その見た目がハープに似ている、というところからこの名前がつきました。
この枝のような部分で小さな甲殻類を補食するそうです。
○カイロウドウケツ
結納の際の縁起物として使われることもあるカイロウドウケツはその見た目の美しさから観賞用として利用されることもあります。
日本では相模湾や駿河湾に生息しています。
基本的には深海に生息していますが、骨格が丈夫なのでそのままの形で打ち上げられていることがあるので、昔から人の生活に関わっている海綿動物です。
まとめ
海綿動物についてお話してきましたが、簡単にまとめると、
海綿質の繊維からなる骨格はスポンジとして化粧や入浴用として使われたり、ユニークな見た目から飾りとして活用されたりしている。
2.海綿動物は想像のつかない面白い形をしたものがたくさん存在している。
最近見つかったものから、昔から縁起物として使われるようなものまで多種多様。
こうしてみてみると、深海魚もそうですが海綿動物もなかなか興味深いですね。
個人的には深海魚や海綿動物、ウミウシ等、不思議な形をしている生き物が大好きなので、もうちょっと調べてみようかなと思います。
もし、どこかで本物の海綿動物を使ったスポンジに出会えたらラッキーですね!
ぜひ使ってみたいものです。