ホタテに目があったとしたら…どこについているのか想像してみてください。
殻にはきっとついていない。ぱっと見た感じ、あの立派な貝柱にもついている様子はありません。となるとその裏側?見えないところでしょうか。
今回はホタテとあまり知られていないホタテの目についてご紹介したいと思います。
まずはホタテと貝の基礎知識から
ホタテの名前の由来は?
ホタテは日本語で「ホタテガイ」、漢字で書くと「帆立貝」と表します。貝類はイカやタコと同じ軟体動物に分けられます。ホタテガイは軟体動物の中の貝類、その中の二枚貝のひとつです。
約10㎝~15㎝の貝殻の片方を帆のほうに開いて立てて海中を移動することから名付けられました。殻の形が扇のようなので「海扇(うみおうぎ)」と呼ぶ地域もあるようです。
ホタテガイは海底の表面に生息し、ジェット水流を噴射して動くことができる活動的な貝です。若くて軽い貝は海底から浮き上がり短時間ですが泳ぐこともできるんです。
貝の仲間は二枚貝と巻貝に分けられます
二枚貝とは体の左右に1対2枚の殻をもつ貝のことをいいます。アサリ・ハマグリ・シジミもホタテと同じ二枚貝です。
貝類は「巻貝」と「二枚貝」に分けられます。アワビなどの平べったい殻をもつ貝は一枚貝といいますが、この一枚貝は巻貝の仲間になります。
ホタテの対になっている2枚の殻ですが、それぞれ形と色が違うのを知っていましたか?貝の殻は、表と裏と呼ぶのではなく右と左で表します。
表面の殻は左の殻のことをさします。左殻(さかく)といい、ふくらみが弱く茶褐色をしています。裏面の殻は右殻(うかく)といい、こちらはややふくらんだ形をしていて白色をしています。
ホタテの目はこんなところにあった!
ホタテの目は2個だけじゃなかった!
さて本題です。ホタテの目、いったいどこにあるのでしょうか?答えはおつまみでも有名なあのヒモの部分です。ホタテのヒモは、正式には外套膜(がいとうまく)といいます。
「えー!目って2個だけじゃないの?」なんて思われる方も多いと思います。基本的に二枚貝には目がないといわれていますが、なんとホタテガイには80個もの目があるのです。
外套膜(がいとうまく)って何?
外套膜のことを少しだけ説明しておきます。外套膜とは軟体動物にみられる器官です。貝は外套膜から細胞を分泌して貝殻を新しくしたり傷を治したります。
この外套膜はイカやタコにもあります。イカやタコは軟体動物の頭足類(とうそくるい)に属します。一部の頭足類は外套膜を使って水を噴き出して水の中を高速移動しているんですよ。
ホタテの目のひみつ
目が80個と聞くと背中がぞわっとしませんか?まるで妖怪…なホタテですが、その目で私たちを見ているわけではありません。
この目は「眼点(がんてん)」といわれるものです。レンズや網膜はありますが色の判断まではできず、わかるのは光の明暗程度。ホタテはこの目で危険を察知し、外敵であるヒトデから自分の身を守っています。
食卓にホタテを取り入れよう!
ホタテは美味しくてヘルシーな食べ物
ホタテは高タンパク低カロリーの食材です。
タウリンにはコレステロール値を下げたり血圧を正常にしたりという効能があります。これは生活習慣病の予防や疲労回復にも効果的です。
ビタミンB12は血液成分のヘモグロビンを作るのに必要な栄養素です。鉄分と摂取することで女性の悩み、貧血の予防が期待できます。
ホタテの旬はいつ?
ホタテには1年に2回旬があると言われています。1つめの旬は夏。夏のホタテは貝柱が大きくて甘みが濃厚です。屋外でバーベキュー、焼きたてのホタテは最高です。
もう1つの旬は冬。冬は産卵の準備で卵が大きくなります。貝柱とはまた別のおいしさがあります。年末年始のごちそうとして準備されることも多いですね。
ですが、ホタテの養殖はさかんに行われていて、年中美味しいホタテが食べられるようになっています。天然ものと養殖ものの味はそう大きく変わらないといわれています。
まとめ
ホタテのことをたくさんご紹介しました。まとめてみると、
2. 二枚貝は目を持たないが、ホタテは80個の目を持つ珍しい貝。
3. ホタテはヘルシーで栄養満点。ぜひ食卓に!
ということです。今夜の夕食のメニューにホタテはいかがですか?もし食卓に並べてもたくさんある目のことは言わない方がいいかもしれませんね。