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可愛いマンボウに寄生虫?マンボウの不思議と生態

投稿日:2019年1月8日 更新日:

ころんとした体、小さい目がかわいいマンボウは水族館でも人気者です。水の中をゆらゆら泳ぐ姿に癒される人も多いのではないでしょうか。

そんなマンボウですが謎が多い魚として有名です。あまり知られていませんが、卵の数は魚類の中でもナンバーワンで、マンボウの赤ちゃんはトゲトゲでまるでこんぺいとうのよう。ハリセンボンのような姿になり、成長するにつれてみんなが知っているマンボウの独特のフォルムになります。

そんな不思議がいっぱいでミステリアスなマンボウについて今回はお話したいと思います。

まずはマンボウの基礎知識から!


マンボウは「フグ目マンボウ科マンボウ科マンボウ属」とされています。フグ目の仲間にはフグ科、ハリセンボン科、カワハギ科などがありますが、マンボウはその中でも世界で最も大きくなるフグの仲間とされています。大きいものになると全長3メートル、重さは2トンを超えるものまで発見されています。

魚はまぶたがありませんが、マンボウは目の周りの筋肉を動かして目を閉じることができます。鳥のくちばしのような歯をもっていますが噛むのは上手ではありません。そのためクラゲやイカ、エビなどのやわらかい生き物を食べます。

魚の中では珍しく尾ビレがありません。赤ちゃんのときにあった尾ビレは成長とともに舵ビレというものに変化します。大人になると船の舵のようにヒレを使って方向転換し、背ビレと尻ビレを左右同時に振って泳ぐようになります。

のんびり泳ぐイメージがありますが、エサをとるときはびっくりするほどすばやく泳ぐこともできます。海の中の深いところだとメートルまで泳ぎ、水面まで泳いでいって水の上をジャンプすることだってできるんですよ。

海上へジャンプ!の理由は……


意外だった「海上へのジャンプ」ですが、これには理由があったのです。

マンボウの皮膚には鱗がありません

粘膜で覆われている厚いその皮膚には実はたくさんの寄生虫がいます。海上へのジャンプは寄生虫を水面に叩きつけて寄生虫を振り落としているのではといわれています。

不思議な行動はほかにもあります。マンボウというのは和名(日本の名前)なのですが、英名では「Ocean Sunfish」といいます。これは「海の太陽」という意味ですが、マンボウが海面で横たわり浮かんでいる姿がまるで太陽のようだというところから付けられました。

この行動にも寄生虫が関係していて、日光浴をして殺菌をしたり魚やカモメなどの海鳥に寄生虫を取ってもらったりするためなのだそう。ジャンプをしてみたり海面をプカプカ浮かんだり、マンボウの上でくつろぐ海鳥の動画などがインターネット上で公開されていますのでぜひ見てみてください。

そしてマンボウは寄生虫に寄生されているのではなく、寄生虫と共存しているのではという説もあります。サメやシャチなどの海の王者たちのマンボウが避けて泳ぐこともあるんだとか。マンボウは寄生虫を身にまという自分を守っているのではともいわれているのです。

私たちがマンボウと出会えるのはどこ?


日本でもマンボウに会える水族館は数か所ありますが、マンボウの飼育はとても難しいといわれています。

小回りがききにくい魚なので水槽にはシートやネットがはられていて怪我をしないように工夫されています。カメラのフラッシュにおどろいて水槽にぶつかってしまうと命の危険も考えられるため、展示ブースには注意書きがされています。

自然界では魚や海鳥に取ってもらっていた寄生虫ですが、水族館ではそうはいきません。寄生虫が増えすぎると体調を崩してしまうため、飼育員が1匹ずつピンセットで取り除いたり、薬浴(薬をとかした海水に入ること)したりして駆除しているそうです。

私たちが水族館でかわいいマンボウと出会えるのは飼育員さんたちの努力の賜物だと言えますね。

そして、少し切ない話になりますが、マンボウを食べることのできる地域があるんです。鮮度が落ちると美味しくなくなってしまうため、あまり流通していないのですが宮城県から千葉県にかけて、東伊豆のあたりでもマンボウが入荷されています。

三重県の紀北町(きほくちょう)では町の魚をマンボウとしていて、道の駅でマンボウの唐揚げなどが販売されているんですよ。

謎の多いマンボウ、少しは身近に感じることができましたか?

まとめると…

1. マンボウは目を閉じたりくちばしのような歯があったり、とにかく不思議がいっぱい

2. からだには寄生虫がいて、ジャンプして落としたり海鳥に取ってもらったりしている

3. マンボウは水族館や道の駅(から揚げという姿)で出会える

みなさんはどんなマンボウと出会いたいですか?

機会があれば、是非とも食べてみたいものですね。でも、寄生虫と聞くと、そんな勇気も思わずひるんでしまいます。実際に食べられるとなったら、果たして好奇心が勝つのか、おそらく自分は挑戦してみると思います!

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