タツノオトシゴって可愛いですよね。
常に立ち泳ぎをしているような不思議な見た目に、細長く伸びた口。
水族館では小型の「ピグミーシーホース」と呼ばれる種類が人気で、ずっと見てしまう方もいるのでは?私もそんな中のひとりです。
ここでは、タツノオトシゴの生態に迫る雑学や、どのように愛されてきたのか?その歴史をご紹介します。
はじめに。タツノオトシゴって何者?
「タツノオトシゴ」(竜の落とし子)は、トゲウオ目ヨウジウオ科タツノオトシゴ属に分類される、れっきとした魚です。
温かい海の浅い場所に生息しており、なんと35cmほどにまで成長する種類も!
そんなタツノオトシゴの雑学とは…?
雑学その1「タツノオトシゴは海の馬?」
タツノオトシゴという名前は、竜のようにも見える外見が由来とされますが、その他にも沢山の呼び名があります。
よく耳にするのは「海馬」と書いてカイバ、ウミウマと読むもの。
馬のような?長い顔からくる呼び名は他に、「ウマノコ(馬の子)」、「ウマノカオ(馬の顔)」、「ウマウオ(馬魚)」、「ウマヒキ(馬引き)」などがあります。
また、竜に関する呼び名だと、「リュウノコマ(竜の駒)」や「タツノコ(竜の子)」といった呼び名が。
英語でも「Seahorse」シーホース、海の馬という名前なので、竜というよりは馬だと思う人の方が多かったのかもしれませんね!
雑学その2「オスが妊娠・出産!?」
これは有名になりつつありますが、タツノオトシゴはオスが妊娠・出産をする…と表現されることがあります。
春~秋にかけての繁殖期で、メスはオスのお腹にある育児嚢(いくじのう)という袋状の部分に管を差し込んで、そこで産卵します。受精もその中でするのです。
このとき、オスのお腹が膨らむので「妊娠」と言われるのです。
その後2~3週間ほどで卵が孵化しますが、稚魚になるまでしばらく育児嚢で暮らしたあと、オスが「出産」します。
稚魚はとても小さいですが、外に出る頃にはすでに大人と同じ体型をしていて、とても可愛いんですよ!
雑学その3「実は高級漢方!?」
実はタツノオトシゴの干物は中国をはじめとするアジア諸国で、伝統的で高級な漢方生薬として扱われています。いわゆる漢方薬ですね。
効能としては、滋養強壮、精力増強、鎮痛など。昔は日本でも手に入れることができたと言われていますが、現在は野生のタツノオトシゴの保護のため、取引の規制が行われています。
そして、そのタツノオトシゴの生薬ですが、栄養ドリンクやサプリメントなどの裏に「タツノオトシゴ粉末」として記されていることもあります。
もしかしたら、気づかない内に口にしていた…ということもあり得るかも!?
雑学その4「タツノオトシゴは縁起物」
日本で古くから縁起物として親しまれてきたタツノオトシゴ。「安産」や「子孫繁栄」のシンボルとなっています。
育児嚢で卵を守り、ある程度育ててから「出産」する…という生態からですね。
上では漢方生薬としたタツノオトシゴの干物を、安産祈願のお守りとして持ち歩く習慣もあるほど。
また、ドラゴンが幸運のシンボルであるバリ島では、タツノオトシゴも同じように幸運のシンボルとして愛されています。
恋愛のお守りとされることもあり、何度も同じ夫婦で産卵を行うということからだとか。魚では珍しいですよね。
雑学その5「風水でも活躍? タツノオトシゴとの関係とは!?」
上でご紹介したように、タツノオトシゴは安産のシンボルとして大切にされていますが、風水ではどうでしょうか。
干支モチーフのグッズだと、辰年は本物の龍の代わりにタツノオトシゴを用いている場合も多いです。
風水では龍は富と繁栄を象徴し、ものすごくエネルギーとパワーがある特別なモチーフです。風水といえば龍と言っても過言ではないほど。
その龍の代わりにされるタツノオトシゴですから、こちらもまたエネルギーがあるはず!ですよね。
まとめ
2. 呼び名が沢山あるが、馬に似ている顔が由来のものが多い!
3. タツノオトシゴはオスがお腹の袋で卵を守る。稚魚がある程度大きくなってから出産する
4. 高級漢方として使われる。滋養強壮、精力増強、鎮痛などに効果あり?
5. 安産や子孫繁栄のシンボルとして大切にされている!
6. 風水で非常にパワーのある龍の代わりに使われることも
不思議な姿のタツノオトシゴは、可愛らしいだけでなく、イクメンであり漢方であり、そして子宝や幸運のシンボルになっていました!
世界で約50種類ほどいるというタツノオトシゴですが、まだまだ謎に包まれています。
いまだに新種が発見されるほどですので、流行りのクラゲのように、タツノオトシゴだけをたくさん集めた水族館の展示があればいいなあと思ってしまいます。
あなたもぜひタツノオトシゴを、不思議な海の仲間として、そして幸運のシンボルとして、可愛がってくださいね!