日本には四季があるので、その季節ごとに様々な旬のもの、美味しいものがあります。
タケノコや山菜等と並んで春の味覚として代表的なものに、実は貝の「ハマグリ」があります。
3月3日の桃の節句には縁起物としてハマグリのお吸い物を作る家庭も多いでしょうし、日本人には古くから最も馴染みのある貝の1つでしょう。
対して、「ホンビノス貝」と言われてピンとくる人はどれくらいいるでしょうか?
「ハマグリ」と比べると、なんとなくの知識で自信がない人が多いかもしれません。もしかすると全く聞いたことがない方が大半かも??
実はこの「ホンビノス貝」、大きさも形も「ハマグリ」とよく似ているのですが、まったく異なる種類の貝なんです。そして意外にもスーパーマーケットなどで売られている?
そんなハマグリとホンビノス貝の違いを見分け方やおすすめレシピと共にご紹介していきます!
ハマグリって?特徴をご紹介!
ハマグリはマルスダレガイ科に分類される二枚貝の1種です。
我々の生活との結び付きは古く、縄文時代から出土や貝塚からも見つかっています。
また、食べるだけではなく、平安時代から伝わる宮廷遊びの「貝合わせ」で使う貝もハマグリなので、かなり生活に根差している貝と言えるでしょう。
ハマグリは日本原産の貝でだいだい大きさは8㎝程度ですが、良く成長した大きなものでは10㎝以上になるものもあります。
そして左右対称の貝殻が特徴で、対となる貝は1つしかありません。
だから、よい伴侶に出会って幸せになれますように、との意味も込めて桃の節句で潮汁にして幸せを願うと言われています。
桃の節句でハマグリのお吸い物を食べるのはなぜなんだろう、と思っていましたが、そんな素敵な理由があったんですね。
生息地は、東北地方より南の地域で淡水の影響を受ける海の砂泥底に生息しています。
ただ、日本ではバブル前後に埋め立てや護岸工事などによってハマグリの生息地を破壊してしまったため、昔とは生態系が大きく変わっています。
今では、瀬戸内海の周防灘の一部や有明海等を除いては、ほとんど絶滅状態となってしまいました。
ホンビノス貝って?特徴をご紹介!
ハマグリが国産なのに対して、ホンビノス貝は北米原産の外来種です。
海岸に近い砂や泥の中に生息しています。
日本にはもともと生息していなかったのですが、1998年に幕張人工海浜で発見された、日本では比較的新しい食用の貝です。
殻もハマグリがつるつるしているのに対してちょっとガサガサした質感です。
ハマグリは左右対称なので、2つ並んでいたら左右対称かどうか、また殻の手触りで簡単に見分けることが出来そうですね。
ただ、2つが並んでいたら…ですけど。
単体でこれはどっち!?と聞かれたら今のところ見分ける自信はありません。
美味しいのはどっち?おすすめ調理レシピを大公開!
ハマグリとホンビノス貝、それぞれの味はどうなのでしょうか?
たっぷりとうまみを持っている貝なので、せっかくなら酒蒸しやお吸い物等、あまり濃い味付けをせずに、ハマグリ本来の味を楽しむのがおすすめです。
食べた時の口の中での存在感が強いので、クラムチャウダーやチーズを乗せてオーブンで焼く、とかパクチーなんかと合わせてしっかり味付けをする料理がおすすめです。
見た目は似ていても、味の特徴が全然違うので、それぞれの用途に合ったレシピ、またレシピに合った貝のチョイスで楽しみたいですね。
まとめ
ハマグリとホンビノス貝についてお話してきましたが、簡単にまとめると
上品なうまみを持っていてとても美味しい。
2.ホンビノス貝は、最近日本に入って来た外来種の食用の貝。
ハマグリよりも大きな貝で食べ応えがあるが、身はアサリのような味。
パッと見はハマグリととてもよく似ているものの、貝殻が左右非対称だったり、表面がガサガサしているので、比較的簡単にハマグリと見分けることができる。
3.味はそれぞれ特徴があるので、その特徴を活かした方法で調理すれば、どちらも美味しく食べることができる。
潮干狩りシーズンになるとSNS等で友人が「ホンビノス貝獲った!」等投稿しているのを見て「ホンビノス貝ってなんだ?」と思っていました。
しかし、これからはむしろ率先して潮干狩りに行き、これはハマグリ?ホンビノス貝?と、1つずつ見分けていくのも楽しそうですね。
どちらが獲れたとしても、上手に調理して美味しくいただきたいものです。