突然ですが、お店で買ったり、いただき物の魚の干物が思っていたより塩辛かったとき、あなたはどうしますか?
ここではそんな「困った!」を解消するため、干物の塩抜き方法をご紹介します。
多くは塩鮭などで使われる方法ですが、干物で試してもとってもおいしかったのでご安心くださいね。
買ってきた干物がしょっぱい… そんな時どうする?
鮭やアジ、ホッケ… 一口に干物と言っても色々種類がありますが、どれもおいしいですよね。
なんだか裏切られた気分になってしまいますよね…。
実は、そんな悲しみを避けるための方法があるんです!それは「塩抜き」。
塩鮭などで塩抜きをすることはありますが、干物だって塩抜きをしてお好みの塩気にして食べましょう!
一般的な塩抜き方法から、おいしさがアップする方法まで、どんどんご紹介していきます。
水っぽくならない塩抜き方法「迎え塩」
一番よく使われている塩抜き方法が迎え塩。呼び塩と呼ばれることもあります。目には目を歯には歯を、塩には塩を?ということで、薄めの塩水に干物を浸けておく方法です。
どれくらい薄い塩水なのかというと、1~1.5%くらい。そう言われてもピンとこないですよね。
水3カップに、塩を小さじ1と1/2でだいたいそれくらいの塩水になります。干物の塩分によりますが、3~4時間ほど浸けておくのがおすすめ。
浸けた後はなるべく早く調理してくださいね。
どうして塩水で塩が抜けるの?
塩分を抜くだけなら真水の方が早いんじゃないの?と思いませんか?
塩抜きに塩水を使う理由は、「浸透圧」にありました。
浸透圧というのは、濃度の違う溶液(液体)が同じ濃さになろうとする力のこと。
干物と塩水なら干物の方が塩分濃度が高いため、塩水の方に塩分が移っていくことになります。
ところが、干物と真水だとふたつの濃度の差が大きすぎて、干物が水を吸ってしまいます。うまみは水に溶けてしまうし、干物は水っぽくなってまるでおいしくないお魚に…!
そうならないため、うまみを残しつつ塩気を抜くのには薄い塩水が最適なのです!
みりんと酒で更で旨味を逃さない!
基本の塩抜きを覚えたら、ほんの少しアレンジを加えて更においしくしてみましょう。
水2.5カップに、みりん大さじ1、酒大さじ2を加えた溶液に、2時間~浸けておきます。1日以上漬けるとき(ほとんどの場合、その必要はありませんが)は新しい溶液にかえてくださいね。
薄い塩水でも充分なのですが、こうすると魚のうまみがぎゅっと閉じ込められて逃げません。
手間も塩水を作るのとそう変わりませんから、是非試してみてください!
酒粕で更においしく!
こちらは酒粕を使う方法。風味が増して更においしくなります。
水大さじ2、みりんと酒大さじ1、酒粕200gを混ぜ合わせた溶液を干物にからめて、冷蔵庫で半日~1日置きます。
酒粕が固くて溶けない場合は、電子レンジなどで軽く温めると柔らかくなります。
調理の前には酒粕を洗い流すなどしてくださいね。
お茶殻で口当たりを柔らかくまろやかに
他には、お茶を淹れたあとの茶殻を使う方法があります。
はじめにご紹介した「迎え塩」に使う塩水に茶殻をひとつまみかふたつまみ入れるだけ。
こちらも3~4時間ほどの漬け込みで充分です。
食べてみると特にお茶の風味を感じるということはないのですが、口当たりがまろやかになる感じがありました。
まとめ
2. 基本の「迎え塩」は薄い塩水に干物を漬ける
3. 塩抜きは浸透圧がミソ。真水ではなく塩水を使うことで旨味を逃さない
4. みりんと酒の溶液に漬けることで旨味を抱え込む!
5. 酒麹を使うと風味UPで更においしく
6. 薄い塩水に茶殻を入れて漬けると口当たりまろやかに!
今までご紹介してきたのは、主に塩鮭が塩辛いときに使われる塩抜き方法です。
もちろん、干物で試してもちゃんと塩が抜けておいしく食べられますので大丈夫ですよ。
ちなみに、どれも溶液に数時間漬け込む方法ですので、塩気が抜ける頃には干物が少し柔らかくなるので、そのまま焼くとふっくら仕上がります。
もう一度干すこともできるのですが、塩気が抜けている分保存性は下がりますから、あまりおすすめはできません。
できれば漬け込んだあとは、なるべく早く火を通すようにしてくださいね。